！おさななづくし！ (ページ10)

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絶許的ラッキーパンチ！/shp ページ10

私には腐れ縁、所謂幼馴染がいる。

家も隣同士で小さな頃からお互いの家を行き来していたし、お互いの部屋で着替えようが一緒にお風呂に入ろうがそれこそ一緒のベッドで眠ろうが何一つ気にならなかった。
なんなら仲良しなのだから当然だとも思っていた。

幼馴染の様子がおかしくなったのは中学に上がってすぐだった。
お互いの家を行き来し部屋に入り浸るのは変わらなかったが、着替えようとすればきつく叱られ一緒にお風呂に入ろうとすれば頭を叩かれ昼寝をすると言う彼のベッドに潜ろうとすれば蹴り出される様になった。お泊まりも断固拒否される様になった。

ショッピくんも思春期が来たのねえ、と母がしみじみ呟いた時はなんやねんそれと心底思った(私達は幼馴染で仲良しなのに、思春期とはこんな寂しい気持ちを味わされるほどの悪なのか)(あんたも見習って少しは恥じらいを持ちなさいと言われたが聞こえないフリをした)

高校生になり、彼の思春期はまだ続いていたし私のスタンスも変わらないままだった。
その度に幼馴染からがみがみとお小言を貰うのだが一向に治らない。
一番多いのは下着姿でうろつくなである(自分の部屋なのだからすきな格好でいさせてくれと文句を言ったら行く前に連絡してんねやから人前では服を着ろとばっさりと切り捨てられた)

かく言う今日も共通の友人であるチーノと3人で私の部屋でテスト勉強をする事になっておりそれはもう釘を刺されまくった。

さすがにチーノに半裸を見られるのは私も憚られるので大丈夫だからと余裕たっぷりに笑っていた……のだが。

先に帰宅した私、コンビニに寄るから少し遅れるとの幼馴染からの連絡、制服を脱ぎ下着のままベッドに寝転がった私、そのままいつの間にか夢の世界に旅立った私、「お邪魔しまーす！」と元気なチーノの声に目が覚めた私、階段を上がってくる足音で寝惚けていた意識が覚醒する私、青ざめる私、今ここ。