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“今日家来て”


1件の通知に顔を顰めた。ショッピからだ。

家に来て、とのことだが彼氏がいるのにそれは如何なものか。

一人、席で葛藤していたが彼としなければいけないお話があることを思い出し“了解”と簡潔に返信をした。
すぐに既読がついたものの、メッセージが送られることはなかった。


私はスマホを閉じて、家に帰る支度を済ませる。
帰りのホームルームが終わった瞬間に教室を出て行った。
遅すぎると長々文句を言われるだろうから。
意外にも私の幼馴染にはこういった面倒な一面もあったりするのだ。

ヒヤリと冷たい風が私の体温を奪っていく。
めんどくさいと思っていた私だが、どこか少し焦りを感じていた。


学校帰り、急に駄菓子が食べたくなってショッピとよった駄菓子屋を通り過ぎて。

毎月ショッピと雑誌を買っていた本屋を通り過ぎて。

如何しても家に帰りたくない時にショッピとよる公園を通り過ぎて、住宅街。

ショッピの家はもうすぐそこだ、と加速するが角を曲がった瞬間人影が見えたため走る足を止めた。


「…ショッピ」

「遅ない?」

「いや、私一番に教室出たよ」


「ふーん」と信じていなさそうな顔をして私から顔を背けて歩きだす。
なんか、いつもよりまして顔が死んでいた気がしたけれど私は知らないフリをした。

ショッピの家に向かう最中。
会話はなかった。
いつもなら会話がなくとも安心感があったから気にはしていなかった。

でも今日は違う。
いつも隣を歩くショッピも今日は私の前を歩いていた。


「…なんかあった?」


ショッピの家に入る前にそう聞いてみた。
だってあまりにも機嫌が悪そうだったから。

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作者名:親愛なる語り手様達 x他1人 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2023年10月8日 12時

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