. ページ6
ং
「ええ!?Aに彼氏!?」
「ちょ、声大きいって!!」
「あ、ごめん。つい…」
日差しが暖かくて気持ち良いお昼休み。
友人とお昼ご飯を食べてる最中。
私は彼女に恋人ができた、と明かした。
おめでとう、と祝福されるのか。はたまたいじられるのかと少しワクワクしていたのだが、思っていた反応とは少し違ったようだ。
「そんな驚くの?」
「そらーね、驚くよ」
落としかけたサンドウイッチを頬張って大きく頷かれた。
「なんで?」と聞いた私を見て彼女は苦笑いをした。
「だっていつも幼馴染と一緒にいたじゃん。…あれ、彼氏って幼馴染?」
「いや、違う」
「あ、違うんだ。まあ、付き合ってるんじゃないかって噂もあったし」
「え、私とショッピが?」
「他に誰がいるんだよ」
サンドウイッチを持った手とは反対の手で彼女に軽くチョップされた。
確認しただけじゃんか。
「って、そんな噂があったんだ…」
「え、知らなかったの」
「うん」
詳しく友達に聞いたところ、広まったのは如何やらショッピのせいらしい。
ショッピが私と付き合っているのかと聞かれた際「さあ、如何やろうね」とはぐらかした、とのこと。
ショッピが曖昧にしたせいで私たちはいつの間にか恋人関係になっていることになっていたのだ。
ショッピに利益があるわけでもないのに。
「…なんでだろ」
「そりゃ、好きだったんじゃない?Aのこと」
「幼馴染と付き合うのは無理」と言い始めたのは向こうからだったのに。
私は掴んだミニトマトを口の中に入れて思いっきり噛んでやった。
「絶対ない」
鼻で笑った後、そう言って空を見上げた。
「そうかな〜?」とまだ納得していない友人の返事は聞こえないふりをした。
10人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ