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中学に上がってから思春期とは別に、彼には様子が可笑しくなるスイッチが実装されてしまった。
何が地雷で何を弾みにオンになるのか分からないそれに最初は戸惑ったものの、今となっては慣れてしまい先程まで冷や汗をかくほど焦っていた私は途端に落ち着きを取り戻しげんなりとし始めた。
さてどうしたものか。
私の腰に回された腕の力は強くなるしぐっと下半身を押し付けられている気がする。
いくらそういう事に疎い私でもなんだかやらしい雰囲気なのは分かる、格好が格好やし。
まだ違和感がないだけこの幼馴染の理性には感服する。
いや、口ではこう言っているが幼馴染にそんな劣情を抱く男ではないこいつは。
私が何年こいつの横にいると思っているんだ。
『はァ〜〜〜…』
「は?なに?溜め息つきたいんはこっちやけど?今すぐチーノに、」
『今すぐチーノに上がってもろてもええで私は』
「はっ?」
『もうぶっちゃけ水着って言い張れる気してきた。ショッピがまだそんなこと言い続けるんやったらチーノ呼んでもええで』
「……」
『どうする?』
「…チッ」
大きな舌打ちをしてやっと私を離すと「はよ退けや、ほんではよ服着ろ」と何処か疲れた様に両手を投げ出す幼馴染。
お前が離さんかった癖になんやそのふてぶてしい態度はムカつくな。
まあ元はと言えば飛び込んだ私が悪いんやけど。
自分の非はしっかりと分かっているがやはり腹は少し立ったのでバシッと彼の胸を叩いて立ち上がり部屋に戻って適当にTシャツを引っ掴んだ。
(お邪魔しま〜……なんでお前らそんな機嫌悪いん?つかさっきのデカい音なに?)
(別に)
(別に)
(ええ〜…空気悪ぅ…)
There is no use crying over spilt milk./br→←・
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