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ブザーの音に合わせて走り出して定位置に付けば音楽と共に何日も繰り返し練習した振り付けで踊る
ここは手を上に、リズムに乗りながら笑顔も忘れずに…堂々として、楽しそうに…
あぁ、楽しいって思いながら踊れる
曲が一転すればスッとらだおから手を差し出されるその手を取ってまた踊りだす
それぞれの男女ペアが踊る中、センターで私達は自分達だけの世界へ入り込める
ペアダンス、と言ってもそんな外国のお姫様や王子様がするようなそんなクルクル回るようなものじゃなく合わせてリズミカルに踊るのだ
恋人の二人の曲だ、周りや観客の生徒からはキャーキャーと黄色い声が聞こえて私達はセンターだから尚更注目を浴びる
振り付けをきちんと考えながら踊る、次は女子が顔を隠して恥ずかしがる所に男子が二人だけの秘密かのように顔を近づけて何かを言う所
実際には何も言わなくて振りだけだから
らだおが私に顔を近付けた時、ふわっと彼の香りが私を包んだ
音楽がゆっくり流れるようで『あぁ、いっそこのまま居たい』なんて思ってしまう
らだおが自身の口元に手を当てて私に囁くような素振りをする
rd「好きだよ」
『え？』
音楽に合わせてらだおはそのまままた元のように踊り出す
キャーキャーと言ったら黄色い声はより一層増して音楽だって最高に盛り上がっているのにそれ以上に心臓が煩い
心音より音楽の方が大きい音のはずなのに自分の心臓の音がうるさすぎる
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