！おさななまみれ！ (ページ19)

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彼と私は元々知り合いであった。
いや、知り合いほど他人行儀な関係では無い。幼稚園の頃は一緒に手を繋いでる写真が残ってるし、小学生の頃はいつも公園で遊んでいたし、何より家が隣である。

いわゆる腐れ縁に分類される関係だ。

でも中学に上がる頃には疎遠になっていた。
疎遠になるにつれ、彼はクラスからも浮いていた。どことなく陰湿な雰囲気と、片目を隠すほどの長い前髪、こんな暑苦しいのに絶対に脱がない長袖のカーディガン、何となくクラスから浮く理由も頷ける。

そんな彼の素性を探る噂は絶えなかった。

虐待されてるらしいとか、家が暴力団なんだとか、悪い奴らとつるんでるとか、親の仲が悪いから反抗してるんだとか。

本当の大先生は一人っ子でお父さんは公務員、お母さんは看護師でめちゃくちゃ甘やかされて育った坊ちゃん。私以外の友達といるの見たことないし、あいつの家の両親は超仲良しでそれで反抗するような奴ではない。

正直、小さい頃から彼を知ってる身からすると小さな噂話にどんどん尾びれが着いていく様は面白かった。

彼はそんな噂を気にしてるのかしてないのか、よく分からない態度だった。
小学校までは普通だった気がするのになぁ。