緑のはなし。 ページ9
「あんたさあ、」
梅雨に入り、久しぶりの晴天に恵まれみんなが何処か肩を跳ねさせながら談笑している朝のHR前。私の前の席である彼女は椅子の背を抱き締めながら目を細め口を開いた。その声のトーンが何時もより低く、違う意味で肩を跳ねさせながらな、なに？と尋ねる。
「最近生徒会の1年と仲良うない？今朝挨拶されやったやん」
ショッピくんが所謂私のご主人になってからの一週間、彼は放課後以外は声を掛けては来なかった。しかしチーノくんが放課後ヤニの会(チーノくん命名)に参戦してからは私に会う度にチーノくんがぴょんぴょん絡んで来るので一緒になって話し掛けてくれる様になった。嬉しくないわけではない、寧ろ可愛い後輩基お友達に話し掛けられて嬉しくないわけがない。しかし私はハラハラとしていたのだ、理由の一部はこれである。
やはり目についたかと内心溜め息をつきながらそれを表に出す事もなく私はへらりと笑う。
『先月くらいに、塩戸くんの落し物を拾ってあげたんよ。それからちょっとお話する様になってん。その流れで橙野くんともお話する様になっただけ』
ここであだ名を出すのは悪手だ、私はあくまで顔見知りなだけだと言い張った。
するとふうんと言いながら伸びをしなーんやと言葉を続けた。
「それやったらええわ。もしAに近付こうとしてるんやったらあたしが虫除けしたらなと思ってたから。Aはあたしがおらなすーぐ変な男に騙されそうやもん！」
出た〜〜〜中学の頃から何も変わっていない彼女の手口である。
中学でもこっちの兎月Aは男子に好評だったようで、よく話し掛けられていたのだが、それを虫除けと評して追い払いその中で彼女の好みや見目麗しい男子がいると自分の彼氏にしていた。彼女は私よりも遥かに可愛らしく綺麗なので失敗したという話は卒業まで終ぞ聞かなかった。
だけど私は今現在彼女に他校の彼氏がいる事を知っている。それでもまだあわよくばを狙っているのか、未だに彼氏の出来た事がない私には理解出来ない。
女子バスケ部のエース様で次期部長候補、リーダーシップも社交性もあるカーストトップ。おまけにせっかく綺麗な容姿をしているのだから男性にだらしない所を直せば良いのに、勿体ない限りである。
「Aはあたしがずーっと守ったるからね！大親友なんやから！」
『…うん、いつもありがとう』
あー痛い痛いいたい。
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える。(プロフ) - 桜の穂さん» こんにちは初めまして、える。と申します。勿体ないお言葉、本当にありがとうございます！ぼちぼちと更新頑張りますので、応援よろしくお願い致します。 (2022年12月17日 14時) (
レス) id: 4124cd0df0 (このIDを非表示/違反報告)
える。(プロフ) - とまとまとまとさん» こんにちは初めまして、える。と申します。嬉しいお言葉ありがとうございます！更新の励みになります、これからも応援よろしくお願い致します。 (2022年12月17日 14時) (レス) id: 4124cd0df0 (このIDを非表示/違反報告)
える。(プロフ) - けんまおし1016さん» こんにちは初めまして、える。と申します。嬉しいお言葉達に感無量にございます…！票も本当にありがとうございます、これからも見守ってくださいませ！ (2022年12月17日 14時) (レス) id: 4124cd0df0 (このIDを非表示/違反報告)
桜の穂 - お話がすばらしすぎる…！ずっと着いていきます(((続きが読みたくなりすぎました！！！ (2022年12月17日 14時) (レス) @page35 id: f612835adc (このIDを非表示/違反報告)
とまとまとまと - やばい……!!めっちゃ好き……！お話も面白くて最高でしたｯｯ!!これからもずっと読み続けます!更新頑張ってくださいｯｯ!! (2022年12月17日 12時) (レス) id: e6e42fc56c (このIDを非表示/違反報告)
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