結婚の条件６２ 〜flashback〜 ページ6
A「…ﾕﾉ…？」
目が覚めると
ﾍﾞｯﾄﾞの中でﾕﾉに抱き締められていた
肌と肌が触れている
嫌悪感よりも冷えきった体からﾕﾉの体温が感じられ心地よい気分になっていた
…どうしてﾕﾉが…？
その答えを考えようとした時
ーA！ー
嵐の中聞こえるﾕﾉの声が頭の中を反芻した
そっか…
思い出した…
あの場所に来てくれたのは
ﾁｬﾝﾐﾝじゃなくﾕﾉだった
どうしてあの場所がわかったの？
ううん
そんなことは今更どうでもいいこと…
ﾁｬﾝﾐﾝは来なかった
それが現実…
わかってた
そんなこと…
ずっと前に貰った【神々しい牡鹿】からのcall
もちろんﾁｬﾝﾐﾝからじゃない
彼の友達が代弁者となった
ーｱﾅﾀﾉｺﾄ ﾁｬﾝﾐﾝ ｶｿﾞｸ ｼﾃﾏｽ
ﾁｬﾝﾐﾝ ﾜｽﾚﾃｸﾀﾞｻｲ ﾁｬﾝﾐﾝﾓ ｶｿﾞｸ ﾈｶﾞﾃﾏｽー
「いやです」とは言えなかった
そんなこと言っても困らせるだけ
嫌な役目を引き受けてくれた大切な彼の友達を
それでも
それでも
認めたくない自分がいる
だからここに来た
ﾁｬﾝﾐﾝがいない現実を認めるために…
ﾕﾉ「泣くな…泣いてもﾁｬﾝﾐﾝはお前のところへは来ない。忘れろ…」
A「いや…」
ﾕﾉ「俺がいる」
A「いや」
ﾕﾉ「ｱｲﾂは来ないっ わかってるだろ？！」
A「わかってる！…でも無理なの…できないの…っ！」
ﾕﾉ「無理じゃない！俺がそれをわからせてやる…っ！」
覆い被さるﾕﾉの体
A「いや…やめて…っ」
ﾕﾉ「もう待たない…止めても無駄だ…っ！」
ﾕﾉが私の中に入ってくる
思わず目を閉じる
心の中で彼を拒絶した
ﾕﾉに抱かれながら僅かに残っているﾁｬﾝﾐﾝの温もりを思い出そうと…
ﾕﾉ「目を閉じるな！しっかり俺を見ろ！」
体を起こされ向かい合い両手で私の顔を押さえるﾕﾉ
ﾕﾉ「よく焼きつけろ！今、誰と繋がっているのか！」
激しく腰を打ち付けるﾕﾉ
私の中に残るﾁｬﾝﾐﾝをひとつ残らず消していくかのように
深く
深く
何度も
何度も
刻んでいった
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作者名：bubu | 作成日時：2014年4月23日 2時
