ずっと永遠に ページ32
A「あ…」
気がつくと私は博物館の中にいた
A「なんだろ…？」
凄く不思議な感覚だった
とても長い夢を見ているようなそんな感じ
A「私があの世界にいるなんて…(笑)」
大好きな十二単に見惚れて妄想の世界に入り込んでしまったようだった
A「それにしても遅い！ユノってば自分から誘っておいて遅れて来るなんて！」
来たら文句言ってやるんだから！
A「…え？」
その時ガラスに映り込んだ人影
キィ…
キィ…
ゆっくりと聞こえる車輪の音
キィ…
キィ…
キィ…
私のすぐ後ろで止まった
「A」
懐かしい声
もう二度と聞けないと思ってた大好きな声
ガラスには大好きな笑顔が映っていた
A「ﾁｬﾝﾐﾝ…」
振り向くと車椅子に乗ったﾁｬﾝﾐﾝがそこにいた
ﾁｬﾝﾐﾝ「待たせてごめん…ずっと長い夢を見てて…」
A「長い夢…？」
ﾁｬﾝﾐﾝ「うん。きっとAも同じ夢を見ていたいたんじゃないかな…？」
ﾁｬﾝﾐﾝが膝の上に乗せていた小さな巾着の中から何かを取り出して見せた
A「矢じり…」
それはﾁｬﾝﾐﾝを射抜いた矢の先端だった
ﾁｬﾝﾐﾝ「あの時死んでこっちに戻れた…僕がきっと先に死んだのはこっちでリハビリをして、こうしてAともう一度会うためだったんだと思う。Aが向こうの世界で寿命を全うして戻って来るまでの…」
でも…ユノは？
ユノは…ここに来るって…
ﾁｬﾝﾐﾝ「ヒョンは…来ないよ？僕が目を覚ました時駆けつけて来てくれた…その時、ヒョンが言ったんだ…僕がリハビリをして元に戻ることができたらAを返すって…」
ユノが…そんなこと…
ﾁｬﾝﾐﾝ「まだ上手く歩けないけど…なんとか話せるようにはなった。手も動かせるし、掴まるものさえあれば１人でトイレにだって行ける…こんな僕だけど…側にいてくれる？」
答えるまでもなかった
ﾁｬﾝﾐﾝの体をぎゅっと抱きしめた
もう二度と離さない
離れない
ずっと側にいる…
ずっと…永遠に…
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作者名：bubu | 作成日時：2014年4月23日 2時
