最強ちゃみの千夜一夜絵巻【第３巻】 (ページ3)

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結婚の条件５９～flashback～ side YUNHO ページ3

「ﾊｲ！OKでーす！」
「撮影終了でーす！」

ﾕﾉ「お疲れ様です！」

「ﾕﾝﾎさん、このｽﾁｰﾙから３ﾊﾟﾀｰﾝ選んでｼﾞｬｹ写に使おうと思ってるんですが」

ﾕﾉ「わかりました。後で確認して選んでおきます。USBに入れてﾏﾈｰｼﾞｬｰに預けておいて下さい。すみません！お先に失礼します！」

「ﾕﾝﾎさん、お忙しそうですね」
「一人になったからな。でも、今日は違うよ。ﾎﾗ、例の彼女の」
「例の彼女？…ああ！」
「日本に来たときは必ず会いに行くんだ。幼なじみの彼女に」
「幼なじみだなんて。もう皆、そうじゃないって知ってるのにぃ」

ﾕﾉ『皆、知ってる…か。ﾌｯ…何を知ってんだよ…っ』

あれから随分、時が流れた

俺は国内での活動より

当初から予定していたﾖｰﾛｯﾊﾟの活動を中心に

日本での仕事も続けていた

もう

東方神起としての活動はしていない

東方神起の名が俺の肩書きから外れ

世間から忘れ去られ

【ﾁｮﾝ・ﾕﾝﾎ】の名が確立されると

誰もｱｲﾂの名前を呼ばなくなった

まるで

初めから存在しないかのように…

「いらっしゃい。ﾕﾝﾎくん」

ﾕﾉ「Aは？」

「部屋にいるわ」

ﾕﾉ「今日はご飯食べましたか？」

「いいえ…このままだとまた入院することに…」

ﾕﾉ「お母さん…僕が話してきます」

ｺﾝ…

ﾕﾉ「A入るよ？」

A「…」

ﾕﾉ「また痩せたな…ちゃんと食べないと…」

A「…食べたくない…」

あの事故のことも

ｱｲﾂのことも

世間では誰も口にしなくなったというのに

Aだけが

動かなくなった時計のように

進まない時間の中から

脱け出せないでいた…

ﾕﾉ「もういい加減忘れろ。ｱｲﾂのことは…」

A「いやよ…っ」

ﾕﾉ「忘れる約束だったはずだ」

A「忘れるなんてできない！ﾁｬﾝﾐﾝがああなったのは私のせい…っ！」

ﾕﾉ「お前のせいじゃない！何度言ったらわかる？！いいか？お前はｱｲﾂの言葉に従った…けどｱｲﾂは…ｱｲﾂは最後まで自責の念から逃れられなかった…っ！自分に負けただけだ！」

A「それでも私が！たとえそれでも…私があの人の未来を奪ったの…私がﾁｬﾝﾐﾝの全てを奪ったのよ！！」

いつまでも変わらない光景

何年経っても無限に繰り返すだけ

…ﾁｬﾝﾐﾝ

…応えてくれ

…お前はこれで

…満足か？