未来から逃げたい ＊6/28ラスト追加＊ ページ15
【Aの屋敷】
婆や「姫様…いつまでここにいるおつもりですか？」
A「…わからない…わからないわ…っ！わからないの！ほっといて！婆や！」
私が右大臣家の屋敷を出てから幾日も過ぎた
ﾁｬﾝﾐﾝは毎日来てくれるようだけど
私が会おうとしなかった
ﾕﾉを拒む女御様のように…
考えれば考えるほどわからなくなる
ーそりゃあ俺だってAと結婚したいよ…子供だって欲しいよ！でも…でもそれは…あの人の提案を受諾したってことになる…っー
提案って何…？
あの人って帝のことでしょ？
ﾁｬﾝﾐﾝの本当の父君だとわかった帝。
その帝がﾁｬﾝﾐﾝに何を言ったの？
私と結婚することにどんな関係があるの…？
怖い…
ﾁｬﾝﾐﾝが帝の御子だったってことより
その提案を受けて私たちの未来が望まない方へ変わってしまうんじゃないかという恐怖
ﾁｬﾝﾐﾝと愛し合うどころか一緒にいることさえ許されなかった現世
それでも一緒になろうとして、その結果私は大切な人を失うことになった…
それがまたこの世界でも繰り返されるかも知れないという不安…
私がﾁｬﾝﾐﾝと会うのを拒んだって
この屋敷に逃げて来たって
何かが変わる保証もないけど不安な未来から逃れられるならなんでも良かった…
A「もういやなの…あなたを失いたくない…ﾁｬﾝﾐﾝ…っ！」
同時にｷﾞｭｯと抱き締める腕
ﾁｬﾝﾐﾝ…？
ううん違う…
いつの間にか暗くなった部屋に射し込む月明かりによって照らされた手も
召し物も香りも違う…
いったい誰…？
「髪はいまいちだが容姿は悪くない」
A「だ、誰？」
「正室であるうちの女御を差し置いて東宮の寵愛を受けようとした女の顔を見に来たのさ」
うちの女御？
て、ことは左大臣様の…？
「父上は大層ご立腹だよ。せっかく東宮がその気になってくれたのに女御のやつが下らない意地を張って拒むから」
A「それと私に何の関係があると言うのですか？！東宮様と女御様の問題ではありませんか！」
「東宮がまたお前を側室に迎えるかも知れないだろ？」
A「有り得ません！ﾕﾉ…っ東宮様はそんなことしないわ！女御様のことだけ考えて」
「東宮の考えなどどうでもよい。父上にとって、いや、我が家にとってお前の存在自体が脅威であることには変わらない…」
着物の合わせ目にその手が入ってきた
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作者名：bubu | 作成日時：2014年4月23日 2時
