猿を愛してしまった【夏油傑】

猿が9匹 ページ9

。夏油



『久びさにショッピングモールに来ました』


「私もだよ。君に贈りたいからここを選んだんだ」




はぐれないように、彼女の手を握った。
小さくて、細くて強く握って折れないか心配するぐらい細い。



「人混みは苦手かい？」


『ぇ...少しだけ...でも、げ...す、傑さんが隣にいるので』




彼女は少し照れくさそうに言う。



「Aちゃんって呼んでもいいかな？」


『...良いですよ。傑さん』




またまた、照れくさそうに下を向く。
可愛い。

ブランド物が並んでいるアクセサリーショップに立ち寄り、ネックレスを見る。



「どんなのが好み？」


『私にくれるのですか？』


「うん。ペアで」


『そ、そんな！！お高いですし...』


「私が贈りたいんだよ。贈らせてもらえないかな？」


『それが、傑さんの願いなら』



そう選んでいる時に、知らない人が声をかけてきた。
でも、それと同時にAちゃんは、ビクッと驚き私の袖を知らず知らずのうちに掴んでいた。



「あれ？五条さんじゃん。彼氏とデート？仕事は終わったの？」


『ぁ、はい...』


「イケメンな彼氏じゃ〜ん。でも、今までいなかったよね？あ、もしかして噂のレンタル彼氏ってやつ？？ウケる〜」





Aちゃんは、下を向いた。

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