パパとガキ【伏黒甚爾】

育児9 ページ9

。パパ



走り回ってやっと見つけた。


歩道橋の階段を一段一段慎重に降りている。
リュックには、花束が刺さっており、誰に結んで貰ったのか知らないが、ペンギンのぬいぐるみはリュックに括り付けられている。

そして手には大事そうに何かを持っている。



手に持っているものを一旦地面に置いたガキ。
そこで声をかける。




「おい！！」


ﾋﾞｯｸと、身体を震わせ恐る恐る俺の方を見る。




『パパぁ....』




怒られるのを理解したのか既に目には涙が沢山溢れていた。




『ごめんなさぁぁぁ。いぅあぁぁぁああん』


「泣くんじゃねぇ！心配しただろ！勝手にどこ行ってんだ！！」


『ﾋｯｸ...パパぁ...たんじょ、びだから。プレゼント...わたじだぐで』


「あのなぁ...」



ずっと大声で泣いている。相当俺に怒られたのが悲しかったのだろう。でも、



「無事で良かった...」



人の心配なんてするのはいつぶりだろうか。
人を殺すのが仕事だけど。



「帰るぞ。かせ。」


『や！じぶんで、もつの！！』


「そーかよ」




ガキをそのまま抱えた。




「これだったら文句ねぇーだろ」


『とくとうせき』


「そーかよ」

育児10→←育児8

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す