【3年A組】大切で、大好きでした (ページ4)

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3話ページ4

さくらと一緒に教室に入る。

さくらは1番前の席だけど私は1番後ろの席。さらに言うとさくらは1番廊下側で、私は窓から2番目。

そう、とても遠いのだ。

取り敢えず荷物は置きたいから自分の席へ向かう。

「あ、Aおはよ」

気だるげな感じに唯月が言う。

『唯月おはよ』

私を気にかけてくれる唯月。根はいい子なんだけどちょっと苦手。

『ねぇなんでみんな後ろに群がってるの？』

「なんかドア開かないらしいよ」

ドアが開かないというのに興味なしみたいに答える姿が唯月らしくて面白い。

「ちょっとなんで笑ってんのよ」

『唯月らしくていいなと思って』

「なにそれ」

少し笑いながら言う唯月。
こういうやりとりが楽しいから苦手だけど嫌いにはなれない。

こんな感じでいつも通り過ごしていると、一颯先生が教室に入ってきた。

さくらが先生にドアのことを報告している。
いいなー話せてそう思いなが2人を見つめていたら…

「Aって本当にぶっきーのこと好きだよね」と唯月に言われた。

しかも、あんなののどこがいいの？とまで。そんなの全部に決まってる。

「あれ、甲斐くん達は？」

そういえば私の周りに空席が3つあった。

先生が大事な話って言ってたのに遅刻なのかな。

そんなことを思っていると、石倉くんが大声を出しながら教室に入ってきた。
そして、須永くんも甲斐くんも。

先生と石倉くん、須永くんがなんか言い合って教室を騒がしくしながら席に向かってきた。

甲斐くんが唯月とハイタッチをする。そして流れで私にもハイタッチの要求。

こういうのは一軍のキラキラした2人がやるからかっこいいものなんだけどなーとか思いつつ、軽く、遠慮気味に甲斐くんにタッチする。

まあ、そのあと甲斐くんにものすごい力で叩かれたんだけど…

そして甲斐くんは満足気に私の斜め後ろに座った。

「今日は大切なお知らせがあります」

甲斐くんが達が来てからさらに騒がしくなった教室。

先生の話を聞いている人は私を含めてほんの数人。

「今から皆さんには人質になってもらいます」

先生の言葉でさっきまで騒がしかったはずの教室は静かなものに変わった。

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石貴諏
甲

の順の席です。