【3年A組】大切で、大好きでした (ページ17)

今日:8 hit、昨日:0 hit、合計:42,970 hit

16話ページ17

「こっち入ってみる？」

共犯になったからか彼はとてもルーズな話し方になっていた。

こっちとともに指で指されていた準備室に入ってみる。

入ってみて驚愕だ。

美術部だったから準備室には何度か入ったことがあった。

でも今目の前にあるのはモニターやマイクなどが置かれた全然知らない準備室だった。

そんな私の驚きをよそに先生は私の座る椅子を用意していた。

『先生！これ先生が改造したんですか？！』

「ああ、これいいだろ？

改造というよりかは取り付けただけだがなー」

だけって...先生は電気系もいけるのか。

「あ、これ！モニターとかカメラとか結構高かったから壊したらペナルティーだからな」

共犯だからって許さないからと付け加えて言う先生。

共犯者になるって決心したからそんなことをしないもんと思って先生を睨んだ。

まあ、睨みなんか無視して話し出されちゃったけど。

「で、重要な話として共犯者になる上で決めておきたいルールがある」

『ルール？』

「そうだ

１つ目共犯者だってことは誰にも言わない」

『誰にもってさくらにもですか？』

「そうだ

誰にも疑われていない状態を保って協力してほしい

2つ目共犯者だからといって何でも教えるわけではない

ボロがでてはいけないからな

だから教えていないことについての深掘りは厳禁だ」

何だが、それで協力になるの？という気にはなったが先生がそう言うなら考えがあるのかもしれない。

『わかりました』

「よし、それじゃあ教室に戻れ」

それと一緒に先生は頭を撫でてくれた。笑顔で。

この瞬間が好きだな。