【3年A組】大切で、大好きでした (ページ11)

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10話ページ11

一颯先生の考えでは澪奈の事件にクラスの誰かが関与しているかもしれないらしい。

「これからみんなにチャンスを与えよう

何故景山澪奈は死んでしまったのか

その理由を夜8時までに導き出せたら

みんなをここから解放してあげよう」

先生の言葉でクラスがざわめきだす。

「ただし、回答は一度だけ

不正解の場合は誰か1人死んでもらう」

先程よりのざわめきが起こる。

「じゃあその回答をする生徒を決めておこうか」

先生は教室を見渡す。

また誰1人目を合わせようとはしない。

「じゃあ茅野」

「…え？」

「学級委員だし

ちょうどいいだろ」

「ちょうどいいって何ですか！全然ちょうどよくないです！

嫌です！絶対いや！！」

さくらが先生に言い返す。

でも先生には届かず、先生は話を進めていった。

「それじゃあみんなには話合ってもらおうか

俺は美術室にいるから」

先生は大きな袋をもって出ていった。

それを追いかけてさくらも出て行く。

私も2人が気になり、出て行こうとしたが左腕を甲斐くんに掴まれた。

「おい、どこ行くんだよ」

若干不機嫌な甲斐くん。
でも気にしていられない。2人を追いかけないと…！

『美術室！！』

「今行くべきじゃないだろ」

『でもさくらと一颯先生が…！』

「A ぶっきー好きもほどほどにしといた方がいいんじゃない？」

私の必死さを見てかそう言う唯月。

でも言葉は馬鹿にしてる風なのにやんわりと甲斐くんの手を離してくれた。

『そうだよね…今日の見たら流石にありえないと思った

でも！ごめん！今は行かないと！』

「気をつけてね」

そう微笑んで送り出してくれる唯月。

言葉と行動が一致してないのは私も一緒。

でも私の方がひどい奴だ。

唯月には嘘をついてしまった。

本当の恋をしてしまっていたから

今日の姿を見ても私は一颯先生離れはできたない。

本当に恋してることも言ってなかったもんね。

ごめん…

私は先生をどんどん好きになる一方だ。