和解 ページ10
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寂しい。
僕がそう思ったのは生まれて初めてである。
今まで、家族や友人に恵まれており、決して裕福ではなかったもののそれなりに楽しくやっていた。
そんな僕が友達のことで恐怖に胸を高鳴らせたことには、全世界の誰よりも僕が驚いた。
ファミレスの隅の席でホットミルク片手にスグルくんを待つ。
この時間は永遠に感じるほど長かった。
スグルくんに連絡をしなくてはならないと気がついたのは30分過ぎた頃だった。
−−−−−−−−−−−
宛先:スグルくん
Cc/Bcc:
件名:待ってます
スグルくん。
ファミレスにいるよ。
端っこの席だよ。
−−−−−−−−−−−
送信。
僕は変な汗を描き始めた。
よく時計を見たらまだ6時半だった。
Aは7時に待っているという約束を完全に忘れてしまっていた。
45分。
ス「A!7時だって言っただろ?!」
スグルくんは息を切らしていた。
ものすごい剣幕だった。
あれ?
涙出てきた?ん?
僕はパニックになって何が何だか分からないまま泣いていた。
スグルくんはそんな僕の肩を抱き寄せてくれた。
そして耳元で小さく呟いた。
ス「心配したんだよ。」
と。
僕は自然に
『ごめんなさい。』
と泣きじゃくりながら言った。
そして落ち着いたところでようやくの思いで今までの経緯をはなした。
意外だったのは、話を聞いたあとでスグルくんも僕に謝ってきたのだ。
ス「Aに対して怒ってしまってごめん。」
『ううん、いいんだ。きっと僕が悪い。』
ス「次の部活はいつだ?」
『僕が次行くのは水曜日だよ?』
スグルくんの質問には違和感があるように思えたが、多分僕がバカだからだと思った。
ス「そうか。」
そこで会話は終わったが、スグルくんの目にはやはり怒りがあるように思えてしまった。
僕は眠かった。眠かったのです。
目を擦っているとスグルくんは家まで送ってくれた。
やっぱり頼れるお兄ちゃんなのだ。
車から降りてしばらく、スグルくんは家までの帰路で僕をおぶった。
背中が広くて暖かい。とても落ち着いたので僕は布団にどのように入ったのかなど覚えていなかった。
翌朝、僕は憂鬱な気持ちなどではなく普段通りのぽやぽやした気持ちに戻っていた。心做しか肌の艶もここ数日より良かった。
僕はストレスの影響はすごいと思った。
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マーシャ(プロフ) - 作者の×他1人のもう一人とはわたしのことであり、中身の人間は同一人物でございます。 (2021年3月18日 15時) (レス) id: b844612d4b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ラビット0210 x他1人 | 作成日時:2021年1月12日 0時