理由 ページ8
・
凌「そうだったんだな。お前は覚えたての言葉を使ってみたかったんだな。」
凌太さんは説明が下手な僕の話を要約してくれた。
凌「ちゃんと理由話して、仲直りしような。」
『うん。あの、聞きたいことがあるんだけど、〇モって美形同士なら女の子はみんな喜んでくれるの?』
凌太さんはぎょっとした。
凌「え!?この流れで今それ聞く?え!?絶対タイミング間違えてるっしょ!」
そういうと凌太さんは僕をわしゃわしゃと撫でた。
凌「まっっったくおまえはぁ!なあ、いいか?その質問は、スグルの前ではすんなよ?な?まあ、Aがスグルの胃に穴をあけたいなら別だがな!」
『胃に穴をあけるだなんて!そんなことしたら僕人殺しになっちゃう!』
凌「ふふっ!ああ、そうだな!わかったらみょうちくりんな質問はしないこった!」
『わかったよ』
その一連の流れの後、凌太さんも楽屋を出て帰っていった。
次に会うまで、またしばらく空いてしまうから少し悲しかった。
翌朝、僕はいつものように学校に登校していた。
妙に華奢な後姿の男が前を歩いている。
ハルヒだ。
黙って追いかけて後ろから背中をトンっと小突いた。
ハルヒは少しびっくりしてから、呆れた顔をした。
そして、『おはよう』と声をかけた。
返事もしてくれた。
一瞬ドキッとした気もした。多分鏡夜にもらった漫画のせいだ。
五冊もあったのに今日は返すことができる。
教室につくと環と鏡夜は話をやめこちらを見た。
そしてあいさつを交わし僕は自然な流れで会話を始めた。
『あ!鏡夜鏡夜!漫画ありがとう!仕事の合間に読んだよ!』
鏡「そうか、意味が分かったか?」
環「ん?何の漫画かにゃ?」
環が鏡夜の腕を引き寄せ漫画の表紙を見る。なんだか胸がものすごいときめいてしまった。
鏡「どうやら、分かったようだな。よかったよかった。」
鏡夜は僕を見ると俗に言うドヤ顔をしたが、セリフは棒読みで環を引きはがそうと必死だった。
『どうして顔を見るだけで理解しているかわかるんだ?』
鏡「さあな。」
鏡夜は今日もクールだ。鏡を見ると僕の顔は真っ赤だった。
なるほどな。ところで、なんで鏡を見たのか思い出せない。
『ねえ、環?僕はどうして鏡を見たんだと思う?』
環「うーんそうだな、美しい顔を眺めるためじゃないか?」
鏡「それはおそらくお前の話だ。」
迷宮入り事件になった。
97人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
マーシャ(プロフ) - 作者の×他1人のもう一人とはわたしのことであり、中身の人間は同一人物でございます。 (2021年3月18日 15時) (レス) id: b844612d4b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ラビット0210 x他1人 | 作成日時:2021年1月12日 0時