そばにいさせて～changmin～ (ページ42)

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理由ページ42

『はぁ。』

ゆっくり湯船に浸かると、1日の疲れがとれていくようだ。

Aは、今日のことを思い出していた。

思いがけず繋いだ手にはドキドキしたが、やっぱり嬉しかった。

チャンミンの大きな手に包まれると、自分は女の子で、チャンミンは男の子なんだと、当たり前だが実感する。

そして、あー女の子でよかったなと思うのだ。

30過ぎたら女の子じゃないか、と自分に苦笑いするが、チャンミンはいつも、Aさんはかわいい女の子ですよと言ってくれる。

それを思い出すと、少し恥ずかしくなる。

幸せな余韻に浸りつつも、Aには気になることがあった。

駐車場へ歩いている途中、三橋と話したことだ。

『チャンミン、あの眞鍋さんて人のこと苦手なんですか？』

西野に聞かれた三橋は、あーあの写真のことですか？と笑い出した。

2人のやりとりの意味がわからないAにははてなマークが飛んでいたが、西野はそんなAを、ほんとそうゆーとこ鈍いよなとからかった。

そんなAたちに三橋は、

『苦手というか…まぁ、写真はあげたくないでしょうね。』

とまた笑う。

『以前、頼まれて写真を撮ったんですが、眞鍋さんはその写真を、スタイリスト仲間に送ったんです。それはまだいいとして…』

写真と一緒に送った文面には、自分が彼女だと、読んだ相手に勘違いさせるようなことが書いてあったと、三橋は続けた。

『その相手のスタイリストさんとは昔から付き合いがあって、わざわざ連絡をくれたんです。大丈夫なのかと。』

その時の思い出しているのか、三橋は苦笑いを浮かべている。

『眞鍋さんにはそのことを注意して、念のため、写真も消してもらいました。もしあれが世の中に出ていたら、例え嘘でも、大きなスキャンダルになってましたからね。』

危なかったですねという西野に、さすがに少し焦りましたと三橋も答える。

『やっぱり、女性絡みのスキャンダルが1番ダメージなんです。女性のファンが多いので。』

『そうですよね。』

『しかも、再始動したばかりですから。韓国の事務所のお偉方からも、耳が痛くなるくらい言われているんです。しっかり管理するように、と。』

大変なんですねー今度飲みに行ってグチ聞きますよ！という西野に、本当にお願いしますよと三橋も笑顔になる。

Aはその話を聞いている間、何も言うことができなかった。

自分もスキャンダルの一部になり得るのだと、改めて気づいた瞬間だった。