そばにいさせて～changmin～ (ページ11)

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距離ページ11

『Aさん、ユノさんオッケーです！』

『うん、わかった！すぐ行く。』

呼びに来たスタッフに応える。

『じゃあ、先にユノさん撮ってきますね！』

『はい。ぼくもメイクしてかっこよくなります。』

『そのままでもかっこいいよ？』

この人は自分の発する言葉にどれほどのチカラがあるか分かっていない、とチャンミンはさっきから思っている。

2人での会話は、確実に2人の距離を縮めた。

時おりでる敬語ではない話し方も、30分前にはなかったものだ。

恋に落ちたチャンミンには、声が大好きも、かっこいいも、嬉しくてたまらない。

さっきなんて、チャンミンてほんとに手がきれいねと言われてコーヒーを落としそうになったし、やっぱり目がかわいいとか言って覗きこまれて赤くなってしまった。

それを見て、見られ慣れてるチャンミンも照れることあるんだね！なんて言うもんだから、あなたを好きになったからです！と言ってやろうかと思った。

Aは、チャンミンには世の中に何億とファンがいるし、声同様、手のきれいさやクリっとした目がいつも褒められているのを知っていた。

ファンたちが褒めるものを目の前にして、確かめずにはいられなかったのだ。

ただ、Aはすごくドキドキしていた。

手はもちろんきれいだが、やっぱり大きくて男性的だし、目もかわいいが、見つめられると動けなくなるような力強さを持っている。

照れることあるんだね！と茶化さなければ、自分のドキドキがチャンミンに聞こえてしまう気がしたのだ。

東方神起のチャンミンだからじゃない。

1人の男性として、ドキドキした。

『………ありがとうございます。』

素直にお礼を言うチャンミンに

『もっとかっこよくなってきてね？』

と笑い、Aはスタジオへ向かっていった。

その姿を見つめながら、どうしてもニヤけてしまうのを抑えられない。

『…ッカァー！そのままでもかっこいいよ？だってー！もっとかっこよくなってきてね？って…やべーですー！』

『なにがやばいの？』

バッと振り返ると、メイクと着替えを終えたユノが不思議そうに見ている。

『なんでもねーです！ヒョン、早くスタジオへいってください！Aさんたち待ってますよ！』

『あ、うん。チャンミン…』

『なんですか？』

『Aさんて呼ぶようになったんだね？』

『…なにか問題でも？』

『ううん、べつに！じゃーいくねー！』

こーゆーことにはすぐ気付く…と苦笑いしながら、控え室へ向かった。