もし受けいれるなら（Sm哀話） ページ18
いちごんさん いちごんさん。
どうか私を許さないでください。
毎日のようにやってくる番屋を追い出す。
苦しんでいる村を救って欲しいと言う使者も追い出す。
Aは、ただ静かに暮らしたいだけだったのに。
「またやってるな、今日だけで何人目だ？」
「数えるのも疲れちゃいました。スマイルさん、私の元には平穏が無いんでしょうか」
「さぁな。ま、Aがやりたいようにやれば良いだろ。俺はそれを許してるんだ」
他人事のように語るスマイルの言葉は、Aを焦らせた。
Aのやりたい事というのが分からない。
1人が快適だったから、という理由で村に入る者を追い出し続けているが、Aは疑問に思うようになった。
最近は夜も眠れない日々が続いている。
寝てしまうと、追い出した人々と奥にいる人物がAを責めてくる。
「そうか、私がいるから村は静かにならないんだ。やっと、解放される」
紫色の朝焼け空を見上げてAは、微笑んだ。
手に持つ刀がキラリと光り、Aは消えた。
「……は？ 何がどうなったんだ」
誰もいない村を見て、スマイルが呟いた。
許容し過ぎた世界は退屈でつまらない、どこから間違えたのか、スマイルは考えたが分からなかった。
「何度でも元に戻せるが、毎回1人残されるのは俺だけなんだな」
このような結末、誰が許すのか。
1本の刀がささる地面を見て、スマイルは一言告げた。
何度も繰り返される孤独は、人を殺す刃となる。
2人が残る結末へと続く
.
もし君がいないなら（Kr哀話）→←もし覚えていたなら（Kn哀話）
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 56人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ミカ | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/elyseeskei1/
作成日時：2022年8月19日 18時
