八歩目。 ページ9
雄英からの推薦話、つづき。
―Aside―
『入学して欲しい、じゃないんですね？決定事項な訳だ』
「公安が君の"個性"を危険視してるみたいでね。こちらで保護下に置くように言われたのさ。こちらとしても優秀な人材は欲しいからね」
なんて言うから開いた口が塞がらないよね。今の私絶対アホ面だよ。
こちとらまだ15歳よ。未成年。立派な子供。大人の事情はもう少しオブラートに包んで頂けると助かります。
んー、つまりよ？すっごい簡単に言うと「あなた危険なんで監視しますねー」ってことでしょ？
利害一致で公安と雄英が協力してるってことでしょ？
まぁ、強制的にヒーローにさせれば安心だよね。監視もしやすいだろーし。
だからといって納得はできないけども。
『...そんな明け透けに言いますかね、ビックリですよ。私が誰にお世話になっているのか知らない訳じゃないでしょう』
「もちろん知ってるのさ。けれど、公安は彼だけじゃ安心できないと考えている」
『あの人は知ってるんですか』
「知ってるよ。実を言うと、彼の計らいでこういう結果になっている。当初の予定で君は公安の保護下に置いて訓練を受けるはずだった。それを拒否したのが彼なんだ。君には自由に生きて欲しいから、本人の同意なしにそれは認められない、ってね。ただ公安も譲らなくてね、妥協した結果が雄英に入学させ保護...もとい監視下に置くことになったのさ」
『譲歩してこれか...拒否権ないんでしょう、詳しいとこは知らないですけど理解はしました』
「君は聡い子だね。こちらとしては理解してくれてるだけで有難いのさ。けれど納得は出来ないと思うんだ。だからある程度であればきみの要望を聞くようにしたいのさ。何かあるかい？」
『それは追々言います。入学の件、了解しました。とりあえず、公安も含めてあなた方は私の恩人と親友に感謝してください。彼らが居なかったらこんな話とてもじゃないけど受け入れられないんで』
最近で一番苛立ってる。それを隠してないのも自覚してる。愛想悪かろーが知ったこっちゃない。
出されてるお茶菓子からチョコレートを一つ取って校長室から出た。挨拶とお辞儀は忘れずにね。私良い子ちゃんなので。
口にチョコを放り込みながら早歩きで下駄箱に向かう。何も言わなかったけど、きっと待ってくれてるから。
『心操くん、待った？帰ろ〜』
「...何かあっただろ」
『...分かっちゃう？さすが
▽
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 125人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：えると。 | 作成日時：2023年1月21日 1時
