三十三歩目。 ページ34
―Aside―
職員室を出て教室に戻れば一瞬で囲まれた。なに、ビビる。
同時に何人かがしゃべっててよく分かんなかったけど、要約すると「心配したよ」「怪我大丈夫？」って感じで、私がちゃんとＣ組として認めて貰えてたことに驚いた。
ヒーロー科をよく思ってない人が居るのは分かってるし、そんな中クラスメイトがヒーロー科の授業に参加してるとか不快だと思うから。
でも、上辺だけかもしれないけど、普通に接してくれるのは嬉しいな。
カバンを置きたくて席に向かえば心操くんが見えてさっきのうれしいが消えてった。
「え、なんで落ち込んでんの。髪もおろしてるし。どうした？」
『職員室行ったら髪わしゃわしゃされてその後説教された...。心操くんが結んでくれたのに、ほどけた』
「落ち込んでる理由そっちかよ」
『だってレア...』
「おろしてるのも似合ってるけどな。ほら、結んであげるからゴム貸して」
『ほんと！！じゃあお礼にデザートおごるね！！』
「ん」
いつもは心操くんと二人で食べるお昼ごはん。
今日は同じクラスの男女二人も一緒。たまに話すくらいだけど、良い子たち。
もうすぐある体育祭とか勉強の話をしながら今日もおにぎりを頬ばってる。あと味噌汁も。
このセットが美味しくてすっかりお気に入り。やっぱごはんは和食だよね。デザートは洋菓子も和菓子も好き。アイラブスイーツ。
ちなみに本日のデザートはシフォンケーキです。心操くんにも同じの。ふわふわでめちゃ美味しい。
「なぁなぁ、前から思ってたんだけどさ。心操と遮止って付き合ってんの？」
「は？」 『え？』
「あ、それあたしも気になってたわ〜。毎日二人で登校してくるし、ずっと一緒だし」
なるほど、傍から見れば恋人に見えるのか。
そういや心操くんかっこいいのに今まで彼女いたことないな。
好きな人いるのかな。気になる。
「別に付き合ってないよ。家が近いから一緒に来てるだけ。中学の時からこんな感じだから」
「そーなの？てか幼馴染でもないんだ？」
『中学で初めて会ったよ。三年間ずっと同じクラスだったのうれしかった』
「なにそれすご！てかAかわいいな。あ、名前呼び捨てでいい？今更だけど」
「あ、じゃあ俺も、...遮止呼びで！」
『？ 名前で良いよ』
「いや、遮止にしとくわ。番犬に嚙まれる」
「何言ってんのお前」
「心操お前ね...はいはい黙りますよ〜」
「あたしらいつでも相談のるからね、心操」
「うるさい」
▽
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作者名：えると。 | 作成日時：2023年1月21日 1時
