二十歩目。 ページ21
―Aside―
到着してバスから降りるとスペースヒーロー、１３号がいた。この人も教師なのか。
建物の中に案内されて、説明を受ける。
建物内にある演習場は再現度が異常に高かった。
噓の災害や事故ルーム。略してＵＳＪらしい。いいのかそれは、大丈夫なのか。
１３号先生話し方優しいし可愛い。好きだな。宇宙服がとても似合ってますね。
相澤先生と１３号先生の話を聞く限り、今回はオールマイトもいたらしいけど事情があってこれなくなったらしい。
三人体制は特例かな。この間のマスコミのことがあったからかな。
"個性"の使い方についての認識と注意を受けて、話をまとめてしめる。
「以上、ご清聴ありがとうございました！」
「よし、そんじゃまずは...」
照明の点滅、消灯。
噴水の異様な動き。
空間が歪んで、黒い霧が、広がった。
暗闇から人の手が伸びた。顔に手首を付けた、男。
「ひとかたまりになって動くな！１３号、生徒を守れ」
「は？何だありゃ」
不快。不安。嫌悪。焦り。
暗闇から出て来た男から、目が離せない。
あれは、
『ヴィランだ...』
授業中に、しかも雄英の敷地内に堂々と乗り込んできた。
センサーが反応してない、この間と違って警報がならない。
この時間に誰かがいることを知ってた？向こうは私たちがいることに気付いてる。その上で焦った様子はない。
私たちが居ることを知った上での襲撃。計画的犯行だ。
「１３号にイレイザーヘッドですか。先日頂いた教師側のカリキュラムでは、オールマイトがここに居るはずなのですが」
黒い霧に黄色く光った目のようなのが浮かび上がる。今しゃべったのはこの霧だ。
実体がない？身体があるはずの部分がゆらゆら揺れてる。ワープ系の"個性"。異形型とはまた違う。"個性"に身体が吞まれてる可能性。
どっちにしろ厄介。ワープ系なら増援も逃走も簡単にできる。
「どこだよ...せっかくこんなに大衆引き連れてきたのにさぁ...」
水色の髪。体に手首がいくつも付いてる。態度と状況から推測して手首の男が主犯格。
人数が多い。どんな個性を持ってるのか分からない。対処が出来ない。
優先すべきは、みんなの避難。イレイザーヘッドの、プロヒーローの邪魔をしないこと。
今、一番まずい相手は、霧と手首の男じゃない。二人の近くに居る、巨躯の生き物。
超常世界だからどんな容姿で生まれてきてもおかしくない。
でも、脳みそが丸出しの生き物なんて、私は知らない。
▽
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作者名：えると。 | 作成日時：2023年1月21日 1時
