桜の簪 ページ4
_____エースside＿___
ｻﾎﾞ｢行っちまったな...｣
ｴｰｽ｢例の"カンザシ"…だっけか？
そのためにAにお願いがあったんだよな？すまねェ！」
サボは季節が変わる前から、資金集めが早く終わる度に図書館でカンザシの本を借りていた。
初めこそ興味はなかったが、Aのために毎日手に傷をつくって奮闘するサボの姿に、協力しようという気持ちへと転じていった。
が、今日は俺のせいで作業が妨害されたって訳だ。
ｻﾎﾞ｢いや、いいんだ！！ゆっくりやろうと思ってるからな...
だがまあ、今日のあいつはガチで怒ってたぞ！
後でちゃんと謝っとけよ｣
ｴｰｽ｢でもアイツも怒りすぎだろ。
なんでおれが謝んなきゃ…｣
ｻﾎﾞ「いいな？」
サボの無言の威圧に押され、渋々承諾せざるを得なかった。
ｴｰｽ「…前から思ってたんだけどよ、なんでカンザシをあげるんだ？」
ｻﾎﾞ「簪を女性に渡すのには意味があるんだ。
これを渡すのは、オレがあいつに告白する時。そう決めてんだよ」
サボが笑いながら返した言葉に、全身がまるで電流が走ったかのように痺れた。
ｴｰｽ「サボは……Aのこと好きなのか？」
ｻﾎﾞ「おい、野暮なこと聞くなよ！」
サボはAのことが好き。
Aも俺と話すよりもサボと話す方が楽しそう。
見ないようにしていても、近くにいれば気づいてしまうこともある。
もちろん仲のいい二人が付き合うのは賛成だ。
サボは顔も良いし、優しい。気も利くし、頭も良いし、服もオシャレ…。
むしろ、俺と付き合うよりずっといい。
…だけど、
そうだけど、
何故だが胸の奥にしこりが残る。
理由はわかってる。
"おれは人のことを好いていいのか"
この疑問の正答を知らないために、Aへの気持ちを考えないようにしてるから。
俯いた頭を上げずに、今出せる最大の声量でこう伝えた。
ｴｰｽ「応援……してっから、頑張れよ」
ｻﾎﾞ「おう！今のことろ脈ナシだけどな」
そうケラケラ笑うサボは、女から見れば魅力の塊に違いない。
ｴｰｽ「じゃあ、今日はもう帰る。
また明日な」
ｻﾎﾞ「じゃあな！
もしAに会ったら、謝っとけよ」
その言葉には返事をせず、サッと背を向けた。
桜色の袴を着た彼女はこの広い山の何処にいるのだろうか。
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まゆこんぶ(プロフ) - 竜胆さん» こんにちは！ありがとうございます！！続編作れたのも皆様のおかげです！！何シリーズまで続くかは分かりませんが満足のいくように終わらせます！ (2020年10月29日 21時) (
レス) id: 984aeb020d (このIDを非表示/違反報告)
竜胆 - 続編おめでとうございます！楽しみにしてました！w (2020年10月28日 19時) (レス) id: bc5f14382a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まゆこんぶ・さえこんぶ | 作成日時：2020年10月28日 13時
