実のところをいいますと 5 (ページ15)

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怒涛すぎる1日を終えて家に帰る頃には、身も心もすっかり疲れ切っていて何もやる気が起きなかったけど

あの時テンが私に何を伝えようとしたのか、ちゃんと今日のうちに分かってあげたくて

急いでアルバムとスマホを取り出して、大学受験以来の英語長文読解に取り組んだ

全ての文章の翻訳が終わる頃には
出し切ったと思っていた涙が溢れて止まらなくなってた

"セレネを守ってくれたあなたへ、お願いがあります。

告白します。

僕は練習生生活を始めてから、意図的に彼女のことを避けたりよくない言葉を浴びせてきました。
不器用な僕には、彼女が負う傷を最低限にとどめる方法がそれしか見つからなかったから。

これからも、僕はきっとそれを続けます。

だから、僕と一つ約束をして欲しいんです。

彼女の耳に入れる必要のないような悪い言葉は
僕が全部拾い集めて吐き捨てます。

僕はこんな方法でセレネを、外の世界から守ります。

だから、あなたは、今日そうしてくれたように

彼女の側で寄り添って、あったかい言葉で包んであげて。

自分を責めようとする、傷つけようとするセレネ自身から
セレネを守ってあげてください。

僕が今日あなたの前で、彼女を思って泣いてしまったこと
いつの日か僕がセレネに素直な気持ちを打ち明けられる時が来るまで

2人だけの秘密にしてくれたら嬉しいです。"

あれからもう5年近く経つけど、私だけはテンの一途すぎる思いを見守りつづけてきた。

自分の心を犠牲にしながらセレネを守り続けてきたテンのこと、否定するなら私は誰であろうと許さないからね。

そんな気持ちが溢れて思わず送ってしまったコメント

"みんなが知らなかっただけで、テンはデビュー前からちゃんとセレネのこと大好きだったよ"

私は多分、シズニ界隈では割と名の知られてる古参ホムマだから普段はコメントしたりしないけど

大量のコメントが流れてるだろうに、やっぱりうちのセレネちゃんはチャレドルだわ

言葉には出さなくても、ちゃんと私だって気付いて手を振ってくれてるの分かってるからね。

テン、そろそろ素直になれてるといいな

もし誰も、セレネでさえも信じてくれないって言うなら
私があの時のアルバム引っ提げて乗り込んであげるからね。