59 ページ10
それから発表が終わり笠原と子供たちのいる控え室に向かったのだが
何やら中が騒がしく……
笠原の堂上教官！という叫び声が聞こえた
ｶﾞﾁｬ
ドアを開けて中に入ると
子供と笠原を庇う濡れた堂上教官と
その前に湯呑みを持った考える会の会長が立っていた
堂「このことは大事にしません
……ですがよく考えてみてください
子供の健全な成長を考える者として今日のご自分の言動は正しいのか否か」
会「っ……」
あ「ﾄﾞｸﾝｯ」
目の前の濡れた堂上教官の左手が真っ赤になってるのを見て
私の心臓は大きく動いた
それと同時にフラッシュバックする真っ赤な地獄の光景
焼けていく本や人、嫌な匂い……
それらが鮮明に頭をよぎり私は思わず堂上教官の手を掴み
急いで医務室へ走った
ｸﾞｲｯ
笠「A！？」
堂「っ！？おい…A！！」
ｶﾞﾁｬ
ｼﾞｬｰ
医務室に入ってすぐ勢いよく蛇口を捻り水を出して
堂上教官の左手を水につけた
あ「っ…」
堂「！！A？」
取り乱すように泣きながら堂上教官の手を握る私を見て
堂上教官は驚いたように私の名前を呼んだ
堂「A」
あ「ﾋｯｸ…」
堂「A…」
ｸﾞｲｯ ｷﾞｭ
突然頭をもう片方の手で抱き寄せられ
私はﾊｯと我に返る
堂「落ち着け。大丈夫だ」
あ「…堂上教官…」
堂「たいしたことない
だから大丈夫だ」
あ「す…いません
そもそも私があの時煽るような言い方したから」
ﾎﾟﾝ
堂「違う
あの時のお前の判断は正しかった
悪いことは悪いと言ってやれ、それでこそ俺の部下だ
……まぁお前が1番に発言したのには驚いたが」
あ「…私が言わなくても笠原と手塚が言ってくれた気はしますけどね」
まだ少し赤い手で私の頭を撫でる堂上教官
その時……
ｶﾞﾁｬ
笠原が心配だったのか様子を見に医務室に入ってきた
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 145人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
なおぴ(プロフ) - 更新待ってます！ (10月9日 11時) (
レス) @page25 id: c1005c97c1 (このIDを非表示/違反報告)
cherry(プロフ) - とっても面白くて一気に読んでしまいました。更新楽しみにしています。 (2023年3月8日 15時) (レス) @page22 id: 7dcc1603c8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：きい | 作成日時：2023年3月8日 3時
