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今日から実地訓練が始まる
場所は基地隣接の武蔵野第一図書館で
防衛員は2人1組で警備業務につく
女性隊員は教官級と組む決まりで……
郁ちゃんは堂上教官、私は小牧教官とバディだ
あ「小牧教官…あの2人の空気が…」
私の視線の先には郁ちゃんと堂上教官の姿
2人とも顔に不満が出ていて近づき難い雰囲気
小「あの二人はほっといて大丈夫だよ笑笑
なんたって堂上は…ｸｯ ﾌﾌ」
あ「？堂上教官がどうしたんですか？」
小「ﾌﾌ いやなんでもない笑
さ、俺たちも頑張ろっか」
未だ笑い続ける小牧教官の後ろをついて行くように歩き出す
その数分後……
私は館内でリュックを前で持ちキョロキョロと辺りを見回す男性を見つけた
あ「小牧教官……要注意利用者でしょうか」
小「！…その可能性はあるね
堂上たちも気づいたみたい
俺たちも行こうか」
あ「はい！」
男性はトイレの方へと向かいそれを追いかける郁ちゃんたちの後ろを追いかけた
郁ちゃんが職質をかけに行ったようで私たちは外で待機
すると……
笠「ちょっとあんた何やってんの！！！」
という郁ちゃんの叫び声が聞こえ
私は郁ちゃんのいるトイレの中へと走った
小「ちょ…Aさんっ……！！」
あ「郁ちゃんっ！！」
中に入れば倒れた男性
郁ちゃんはそのまま男性に背を向け私に向かって
笠「A！
この人蔵書損壊容疑の現行犯！！確保したから！！」
しかし男性の手には手錠はかかっていない
このままじゃ…！！
その時案の定男性は立ち上がり郁ちゃんに向かって殴りかかってきたが
郁ちゃんは気づいていない
あ「郁ちゃんっ！！！」ﾄﾞﾝｯ
咄嗟に郁ちゃんを押し出し前に出て確保しようとした瞬間
殴りかかってきた男性がまたあの恐ろしい人と重なってしまった
あ「っやめ…！！！」
ﾄﾞｺﾞｯ
笠「っA！！！」
思いっきり殴られその反動で壁に激突してしまった
小「Aさんっ！！！」
堂「笠原！A！！」
そのすぐ後かけつけた2人によって男性はすぐに確保された
あ「あ……っ……」
ボタボタとAの目から溢れ出る涙
守るように自身の身体を抱きしめ震えていた
この時笠原や堂上たちはAが泣くのを初めて見た
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作者名：きい | 作成日時：2023年2月11日 2時
