防衛部のお姫様 (ページ27)

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開館後、すぐに書庫内は戦場と化した

押し寄せるリクエストの波に教官たちでさえ汗を流しながら走る

私も必死に本を探し走った

笠「ごめんAっ！！
756って何番書架！？」

あ「工芸30番台！
郁ちゃんっ…工芸聞くの3回目だよっ…」

パニックになっているのか郁ちゃんは同じことを何度も質問する

手塚くんには聞きたくないのか全部私に質問するため

私も少しずつ自分の余裕を無くしていた

このままじゃ回らない

でも郁ちゃんだって一生懸命なんだ

仕方ない

それを繰り返し気がつけば12時を回っていて

お昼で利用者も少ない落ち着いた時1度私たちは集められた

小「3冊差し戻し……か
出庫を待てず利用者がキャンセルしたみたい
カウンターからも苦情が来てる
今は利用者もお昼で引いてるし…少し考えよう」

そう言った小牧教官と隣にいる堂上教官は汗だくだ

そして差し戻された本は全て郁ちゃんが探していたもので

それが分かったのか郁ちゃんは泣きそうな顔で立っていた

あ「郁ちゃん…私も余裕無くしちゃってて上手く教えてあげられなかったからお昼からも一緒に頑張ろうよ」

笠「A……」

手「Aに甘えてんなよお前
分類法も把握してない特殊部隊員ってなんだよ！」

笠「っ……あ…たし最初は防衛員で…内勤に関わるはずじゃ…」

あ「ちょっと手塚く……」

手「特殊部隊の配属受けたの1ヶ月半前だぞ！
いくらでも勉強する時間あっただろ！！」

笠「でも…配属受けてすぐ集中訓練で帰ってすぐこの業務で…」

手「訓練後に2日休日があった！復習できた！！
配置だってAが何回言っても覚えやしない！！
そんな脳みそならAみたいに朝もっと早く来て自力で予習しろよ！！

散々人の足引っ張っといて言い訳だけは1人前か！
Aは優秀なのにそれでも努力してるんだぞ！！！

無能なくせに努力もしないバカはいっそ喋るな！！」

手塚くんの言葉に私は思いっきり手塚くんを押した

手「！？A…」

あ「手塚くん！！！言い過ぎ！！
どうして私を引き合いに出すの…？

郁ちゃんは郁ちゃんの良いところがたくさんあるよ！

私はそーやって比べてもらうために努力してるんじゃない！！
優秀って言ってもらうために頑張ってるんじゃない！！」

そう叫べば全員が驚いたようにこちらを見ていた