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特殊部隊入りを任命されてから数日後
私たちは関東図書基地を離れ奥多摩山中の訓練場にいた
特殊部隊隊員は訓練延長となり、1ヶ月半の集中訓練をするためだ
そして今は射撃訓練中……
堂「A！全弾急所命中！！というより穴が１箇所しかないぞ…」
堂上教官の言葉に周りがザワつく
弾は全部で6発、穴がひとつしかないということは全て同じ場所に打ち込んだということ
ナンバーワンスナイパーと呼ばれる進藤さんでさえそれを見て開いた口が塞がらなかった
手「…すごいなA」
あ「まだ全然…手塚くんこそ全弾命中してるじゃん」
手「いや俺の方がまだまだだ」
あ「そんなことないよ
私なんてすぐ置いていかれちゃうからもっと頑張らないとね」
そう困ったように笑って去っていく私の背中を
手塚が参ったなという表情で見ていたのには気づかなかった
笠「すっごぉい！！A射撃得意だったんだね！
あたしなんて半分板に当てるのが精一杯で…」
あ「半分……」
ちらりと郁ちゃんの撃った結果を見れば穴は3発分
その3発も板には当たっているがどれも人の絵にはかすりもしていない
私はそれに苦笑いで返した
すると
ポン
郁ちゃんの肩に手を置いて笑いながら
小「笠原さん笑
なんであんなに外すのか聞きたいよ俺は」
と小牧教官が言った
小「Aさんは文句なしだね笑
笠原さんはまず訓練期間中に全弾板に当てることを目標にしようか」
笠「う……はい…」
小「笠原さんには笠原さんのいい所があるからそんなに落ち込まないで」
ポンポンと俯いていた郁ちゃんの頭を撫でた小牧教官
それを見た瞬間、私の胸はチクリと小さな痛みを感じた
あれ……なんだろ。今一瞬…胸が痛かった
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作者名：きい | 作成日時：2023年2月11日 2時
