私は先生の特別になりたい (ページ45)

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寮に送ったAの顔がいつも通りに戻っていて

俺は安心した

爆豪との喧嘩や職員室でのこと…

あぁなるくらいあいつは1人で溜め込んでたのかと

教師として保護者として

それに気づいてやれなかったことが情けないと思った

まだまだあいつの抱えるものは大きすぎる

あいつがちゃんと乗り越えるためにも

そばにいてやりたい…

ｶﾞﾁｬ

教師寮に戻り自身の部屋を開けるとタマが足元に擦り寄ってくる

相「悪い、遅くなった

お腹すいたろ」

タマにエサをやり、残りの仕事をしようと机に向かった時

コンコンとノックする音が聞こえた

相「はい」

ドアを開けると高宮さんが立っていて

高「すみません、ちょっとお話が…」

と言ったので中へどうぞと促す

中に入り机の前に座った高宮さんの元に

ご飯を食べ終えたタマが向かうが

匂いを嗅ぐとタマは珍しくｼｬｰと高宮さんを威嚇した

相「こらタマどうした？珍しいな

すみません、いつもはこんなこと…」

そう言うと高宮さんは

高「…いえ…ﾎﾞｿｯこの子も相澤先生が大好きなのね…」

後半は聞こえなかったがそう言って俯いてしまった

相「あの…それで話とは…」

高「えと…Aちゃん、あれからどうでした…？

プレゼントマイク先生との会話を聞いてから気になって…」

相「寝不足で不調だったみたいで

仮眠を取らせたので今は落ち着いてますよ

まぁ、まだ心配ではありますが」

高「そうですか…」

相「なにぶん、なんでも1人で抱え込む癖があるんで

俺がきちんと見ておいてあげるべきでした

なので高宮さんがそこまで気にする事はないですよ」

高「…Aちゃんのことすごく分かっているんですね」

相「そりゃ保護者として近くで見てきましたから」

高「……ほんとに…保護者としてですか？」

相「え…」

高「あ、いえ！なんでも…」

すぐに訂正した高宮さんだったが

おそらく高宮さんには俺の気持ちはバレているのだろう

高「あ、あと！

私の個性でAちゃんの負担とか軽く出来たらなって思ってて…」

思いついたようにそう言った高宮さん

まぁAの精神的な負担を軽くできるのはいいことだが…