好きだよ、杏寿郎２

久しぶり ページ8

杏:「A？」



全身が一気に固まった気がした


顔を上げるとそこには久しぶりに見る杏寿郎が


隊服ではなく着物姿で立っていた


その横にはもちろん時雨さんもいる



あ:「あ…杏寿郎…」



杏:「久しぶりだな！

怪我の具合はどうだ？

む…そちらの方は？」



私の隣に座る凛太郎さんを見ると杏寿郎は少し眉を寄せ私に尋ねてきた



あ:「久しぶり、こちらは鈴村凛太郎さん

しのぶちゃんの患者さんだよ

この前ちょっと色々あって知り合ったの

腕は…まぁ順調かな」



杏:「…そうか！

鈴村さん、俺は煉獄杏寿郎

Aの幼なじみだ！」



鈴:「幼…なじみですか

よろしくお願いします」



あ:「…」



時:「Aちゃん、久しぶり」



時雨さんの声に一瞬体がﾋﾞｸｯと強ばった


顔を上げると優しく微笑んでいる



あ:「お久しぶりです、時雨さん

一緒にお出かけですか？」



時:「そうなの

杏寿郎さん、久しぶりの非番だから」



ね、と杏寿郎に笑いかける時雨さん


それにあぁと優しく笑って返す杏寿郎


無意識に私の膝の上にある拳に力が入る


隣から視線を感じると凛太郎さんが真剣な顔でこちらを見ていて…




鈴:「…あの！

ぼ、僕はAさんのことが好きです！

Aさんの家族に近い存在であるあなたにはきちんと言っておきたくて！

まだ出会ったばかりですが僕はAさんのこともっと知りたい！」




あ:「凛太郎さん…！？」



大きな声を出したせいか少し咳き込んでしまい


私はその背中を優しくさする



時:「そうなんですか！

こんなに真っ直ぐに好かれてAちゃんは幸せ者ですね笑」



あ:「え…」



杏:「…そうだな！

鈴村さんは胡蝶の患者と言っていたが

どこか悪いところでも？」



鈴:「僕は生まれつき身体が弱いもので…

あまり外に出たことがありません

今日は体調が良くてAさんが連れてきてくれました」



杏:「そうか！」




次に続く言葉は杏寿郎らしくない言葉だった

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