好きだよ、杏寿郎２

涙 ページ12

目を覚ますと目の前に杏寿郎の姿があった


杏寿郎はとても真剣な顔でこちらを見ていて


しのぶちゃんが言ったんだろうと察した


全部聞いたのだろうと分かってはいたが


私はなんでもないフリをして無理やり笑った


杏寿郎を見た瞬間、泣きそうだったから…



でも杏寿郎はその笑顔に騙されてはくれなかった



悲しそうな顔でこちらを見ている



胸が苦しくなって



あ:「……そっか…

ごめんね、私はもう…刀は握れない…」



言いながら涙が溢れてくる


すると杏寿郎が


優しく私を包み込み抱きしめてきた


余計に溢れる涙


子供のように杏寿郎の腕の中で泣いたのだった




あ:「っ…ごめん、もう大丈夫…ありがと」



杏:「A…」



あ:「私ね…もう任務には行けないけど…

教えることはできる

だから次の世代を育てるために頑張るよ」



杏:「そうか！

Aは教えるのが上手いから向いている！」



あ:「ありがと…」



杏:「何かあったら俺を頼るといい！」



その言葉に頷いてしまいそうだったが


私はゆっくりと首を横に振った



あ:「ううん…これ以上杏寿郎に甘えたくないから…

私のことは気にしないで大丈夫…」



杏:「…そうか！無理はするなよ」



あ:「うん、分かった」



それから私と杏寿郎は蝶屋敷を後にした


もう…杏寿郎と一緒に戦うこともできないんだ


あぁ言ったけど、鬼殺隊の柱を辞めたら


私には何が残るんだろう…

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