START:DASH!!～5～ (ページ8)

今日:7 hit、昨日:34 hit、合計:17,932 hit

パーキングエリアページ8

パーキングエリアに向かう途中、そこでイチャイチャしている二十代前半のカップルを発見した。

元日から嫌なものを見せないでくれ。私は彼らを頑張って視界に入れないようにした。

だが、彼女の方が一人の私を嘲笑うかのようにわざと前でイチャイチャしている。

そして、時々振り返って「私こんなにカッコいい彼氏がいて羨ましいでしょ？」みたいなドヤ顔をする。

おい、誰だと思ってるんだ。黒羽さんだぞ。

今すぐ帽子とマスク取って、彼らの目の前に姿を現したいくらいだ。実際やったら、大騒ぎになるだろうな。

それより、別にあなたもあなたの彼氏も羨ましくないわ。

多分私、あなたよりはまともな人間だし

その彼氏よりももっとカッコいい人が職場にはいるもの。恋愛対象には入らないけど。

その彼氏よりカッコいい彼氏、作ろうと思えばすぐ作れるわ。

しかも友人･知り合いはカッコいいだけじゃなくて面白い人ばかりよ。

しかし何よ、寒い～って腕に抱きついちゃって。防寒具くらいちゃんと着なさいよ。カイロもあるでしょ。

何、寒さを口実にイチャイチャしようっての。そんなのホテルか車でやりなさい。

ちょっと口悪くなっちゃったわね。

まず、TPOもわきまえずにそこでイチャイチャしているのはどうかと思う。

人の目というものを気にしないのかしら。全く最近の若者は。こんなこと言う私も年取ったな。

そんなカップルを横目に腹を立てながら私はパーキングエリアに入った。

何食べようかしら。朝食だから、あまり重くないものがいいわ。

道中でキラキラ(吐く)したら困るから。

私が選んだのは、きつねうどんだ。整理券をカウンターへ持って行って、番号が書かれた機械を渡された。

これが鳴ったら出来上がりました、ということで取りに行けばいいのね。

私は素早く席をゲットして、水を取りにいった。

はあ、周りはお一人様の人はいないのね。

今年もリア充を見ながら一人寂しく食事......か。

あのさっきのカップル共はいないのかしら......あ、いた！

うわーあいつら、イチャイチャしすぎて周りに嫌な顔されてやんの。ここまで気付かないとは、強者だ。

はあ、こんな時一瞬でいいから高身長でカッコよくて紳士的な男が隣にいてくれないかしら。

ドラえ○んなら出してくれるかしら、嘘の彼氏を一瞬だけ出してくれる道具。

すると、「あ、マッキーやん」と誰かを呼び掛ける男性の声が聞こえた。

一瞬私のことだと思った。