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ホテルページ6

紅白の仕事を済ませて、私は自宅で旅行の支度をせっせとした。

パジャマ良し、明日の着替え良し、お風呂セット良し、洗面器具良し、

下着良し、靴下良し、暇潰し道具(UNO等)良し......キャリーケース中はこれでいいか。

後の貴重品はリュックに入れておこう。

そして私は車で家を出発した。

目的地は「ホテルハナミズキ」とカーナビに設定した。

多分、五時間くらいで現地に付く予定だ。

車を運転している時は凄く暇なので、私は音楽をかけた。

最初の曲は......「Love marginal」と来たか。

marginalとはわずかな、ぎりぎりの、最低のという意味がある。

この曲はラブライブというアニメに出てくるμ'sというグループのなかの

高坂穗乃果(リーダー)、南ことり、小泉花陽で結成された「Printemps」という派生ユニットの曲だ。

この曲のイメージはざっくり言えば、'90年代の悲恋の曲って感じだ。

この曲には「私」という主人公がいて、仲の良い男に恋をしているイメージ。

その男には既に恋人がいるんだ。

歌詞のサビに「青く透明な私になりたい」「こころ透明な返して」というワードが出てくる。

最初は意味がわからなかったが、実彩子と日高とで考察した結果、

「青く透明な私になりたい」というのは「誰にも気付かれない透き通った雫のようになりたい」

「こころ透明な私を返して」というのは「恋心に気づく前の私を返して」だと思う。

そしてサビの最後の「秘密抱えて窓にもたれた」というのが最高にカッコいい。

ちょっと色気ある男性にやって欲しいな。

メンバーの中では直也とか。友人･知り合いでは徳井さんとか玉木さんとか設楽さんとか

やったらカッコいいだろう。

そして頭にある考えがふと頭を過った。

Nissyが女性目線の'90年代の悲恋の曲を歌って、

そのMVのなかで彼が溜め息をついて窓にもたれたらカッコいいんじゃないのか。

コンセプトは決まったが、パクりにならないために曲を作る際には歌詞のストーリーの設定も

コードも全部一から考えなければならない。

どうしよう、彼に楽曲提供したくてたまらない気持ちでうずうずしてきた。

だがそれをするには彼とスタッフの許可いるだろうな。

パーキングエリアで朝食をとる際に、ネタ帳に歌詞の元となるワードを書いておこう。

私はパーキングエリアへと車を走らせた。

次はどんな曲が来るのかしら。