START:DASH!!〜5〜

ありきたり ページ44

貴方「さて、早い時間に起きましたが何しましょうか」


園田「朝ごはん、何時から？」


貴方「８時くらい」


園田「俺もそんぐらい。もうちょい寝てても良かったやん」


貴方「アラームに起こされたから」


園田「何故俺も起こしたんや」


貴方「ゲームをしようと思いまして」


園田「ゲーム」


貴方「UNO持ってきたんですけど、使う機会なくて。今やりましょう」


園田「おん」


私はカードを九枚ずつ配った。


そんなに良いカードはない。


先攻は園田さん。色変更のカードか。


ゲームは徐々に進んでいき、私は残り一枚になった。


今は園田さんのターン。


何を出すかと思ったら、色変更しかも四枚取りのカードを出しやがった。


貴方「うわあ」


私は頭を抱えた。


結局、勝負は彼が先にあがって私の負けだった。


貴方「負けましたね」

園田「負けたな」

貴方「何か罰でも受けましょうか」

園田「ゲームする前からそんな約束してへんけど」

貴方「よし」

園田「あ、でも一つお願い聞いてもらっていい？」

貴方「ん？」

園田「......いや、やっぱり何もない」

貴方「えっ、何だったんですか」

園田「気にせんとき」

貴方「余計気になるじゃないですか」

園田「ほんっまに何もないから！」

貴方「あ、はい」


私は机に向かって、Nissyに提供するための詩を書いていた。

悲恋か......昨日以来、悲恋の気持ちが少しはわかった気がするがまだ何か足りない。

楽曲提供のことは一応、彼に報告しておこう。


貴方只今、仕事中

西島三重に旅行中じゃなかった?

貴方Nissyに楽曲提供したいと思いまして

貴方その曲の作詞中なのよ

西島ズバリ!テーマは?

貴方悲恋、です

貴方曲調は90年代を意識しようかと

西島楽しみにしてる

貴方ありがとう

貴方MVの監督してもいいかしら

西島どうした、急に

貴方どうしても撮りたいシーンがあって

貴方監督、初挑戦だが任せなさい

西島不安しかない

貴方勉強して参ります

西島おう。


悲恋ね。「優しいのが辛い」という歌詞はどうだろう。


ダメ、ありきたりすぎる。こんなんで人の心を掴めるはずがない。

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