対決 ページ39
母「お待たせ〜」
善子「遅くなったわ」
黒羽家と渡辺家の大人達がぞろぞろとやって来た。
さて、ゲームを始めようか。
私は卓球の道具を借りて、台が設置している場所へ向かった。
貴方「一年ぶりだな、善子」
善子「絶対あんたを倒す。
今回は負けた方が勝った方の言うこと聞くルールをつけよう」
貴方「面白そうじゃない」
そんなペナルティがあると燃えるなあ。私はニヤリと笑った。
私は深呼吸をして台の前に立った。仁王立ちでグッと遠くを睨み付けた。
まずは私からサーブだ。
最初はゆっくりだったものの、早さはどんどん加速していく。
姉は学生時代、卓球部で県大会まで進んだこともある腕前だからな。
私は卓球の経験など全くないが、ダンスとアクロバットで鍛え上げた運動神経で立ち向かおうじゃないか。
まずは私が一点取った。善子はまだ余裕綽々としていた。
ちなみにこの試合、マッチポイント制で5ポイント先に取った方が勝ち。
続いて、善子がサーブを打った。
また私が一点取った。
私が点数を取ったというのに、善子は余裕綽々としている。
何か気持ち悪いなあ。
続いて私がサーブを打つ。
すると、善子がさっきまでと違って物凄い速さでアタックした。
善子が覚醒した!?案の定、善子が一点を取った。
また一点、また一点と善子に取られ、いよいよマッチポイントになった。
回りは口をポカンと開けてただただ試合を見ている。
絶対に負けるわけにはいかない。
今までより大きく深呼吸した。私からサーブを打った。
残念ながら善子が一点取って、この試合は善子の勝利だ。
私達の試合が終わったあとは、私達以外の大人がほのぼのと卓球をしていた。
平和だな。さっきまでの炎を散らす戦いと違って。
善子「じゃあ私の勝ちなんで、命令を聞いてもらおう」
貴方「はい......」
「面倒くさいわね」と聞こえないようにボソッと言った。
善子「まだ何も言ってないでしょ」
貴方「聞こえてたか」
善子「私のお願いはね......今日、園田さんの部屋に泊まりなさい」
貴方「は?ちょっと何言ってんのかよくわかんない」
善子「聞いたところによると、園田さん一人部屋じゃない」
貴方「誰情報なんですか、それ」
善子「本人に聞いた」
貴方「......わかった。今日だけ?」
善子「明日はダメ?」
貴方「彼、明日もいるの?」
善子「知らないけど」
修学旅行以来だ。速く旅行が終われって思ったのは。
47人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Rinq (* ´ ▽ ` *)(プロフ) - 頑張ってくださいね( *´艸`)わたしも、小説書こうかなぁって、いま、考えてます。更新頑張ってね応援してます(* ´ ▽ ` *) (2017年5月30日 23時) (レス) id: a75720872a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:西木野海未 | 作成日時:2017年5月17日 19時