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時間は待ってくれるはずもなく、約束の場所にはあっという間に着いてしまった。
私以外の全員はもうすでに着いている。
善子「五分遅刻」
貴方「ごめん」
私がずっと着かなければいいのに、と思ったからなのか、ゆっくり歩きすぎたかもしれない。
悪い事したな。
園田「すみません。僕が気づかなかったのが悪いです」
貴方「いや、園田さんは悪くないですよ。私が時間を忘れていたのが悪いんです」
善子「お気になさらないでください、怒ってませんから」
それ言うと、余計怒ってそうに見えるんだが。
とりあえず、園田さんのおかげでこの場は穏便に済まされたようだ。
貴方「今日は本当にありがとうございました。我々はこの辺で失礼します。
園田さんもご家族のところ、行かなくていいんですか?」
園田「さっき全員からLI○E来たけど、まだもうちょっとここにおるって。
また一人になるかな」
彼は寂しそうに笑った。その表情に私は何故か胸が締め付けられた。
母「じゃあ、園田さん?もご一緒しませんか?」
母の突拍子もない言動に、我々一同は目を丸くした。
貴方「あの、お母さん。ご一緒というのは、同じバスで帰るという意味で?」
母「ええ。園田さんが問題なければ」
貴方「でも向こうのご家族に迷惑が__」
園田「俺は特に構わへん。ここで一人でいるのもあれやから。
家族もそのうち戻ると思うから、ご一緒させてもらうわ」
貴方「は、はい」
彼の二つ返事で彼も同行することになった。
バスの中の席は案の定、彼と隣同士で座ることとなった。
さっきのアイランド富士よりも密着していると思うんですが。
考えすぎかしら。バスだから仕方ないか。
園田「Aちゃん、こ、この後の予定は何かあるん?」
貴方「と、特に......卓球するのとゲーセンでちょっと遊ぶだけです。
......園田さんは」
園田「お、俺は特に......部屋でゆっくりしよっかな」
何故こんなにもぎこちない雰囲気なんだ。
園田さん、あなたさっきまで普通に喋っていたじゃない。
何故急にぎこちないのよ。こっちまでぎこちない感じになっちゃうじゃない。
ふと、視線を感じてハッと横を見ると、善子がこちらを見てニヤニヤしていた。
どうした、さっき私が遅刻して怒りぎみだったのに。気持ち悪いな。
ちなみにチビ三人の面倒は父と母が一番後ろの席で見ている。
チビ三人は疲れて寝ている。
とにかくこの気まずい誰か雰囲気どうにかして。
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Rinq (* ´ ▽ ` *)(プロフ) - 頑張ってくださいね( *´艸`)わたしも、小説書こうかなぁって、いま、考えてます。更新頑張ってね応援してます(* ´ ▽ ` *) (2017年5月30日 23時) (レス) id: a75720872a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:西木野海未 | 作成日時:2017年5月17日 19時