START:DASH!!～5～ (ページ35)

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諦めたページ35

なんか話が脱線しちゃったわね。

園田「どう？思い出した？」

貴方「思い当たる節は一つあります」

園田「へえ」

貴方「芸人さんが好きだったんですよ。結構年離れてたけど。

でも彼、女の子大好きっていうか私のような可愛い人や綺麗なひとに対しても

同じ態度取ってると思ったら嫌になって。辛い思いする前に諦めました」

園田「その人テレビでもし、し......下ネタとか言う方なん？」

貴方「ええ」

園田 side

大体特定出来た、その人。

園田「その人止めといた方がええよ」

俺がそんなこと言うと、Aちゃんは目を丸くしてこちらを見た。

俺も実際、自分がそんなこと言うなんて思いもしなかった。

多分、その人に嫉妬して言っただけだと思う。

俺はその人よりもカッコいいわけでもなければ、Aちゃんを惚れさせたこともない。

凄く醜いことを言ってしまった。カッコ悪いなあ。

貴方「そうですね、浮気されそうですもん。

彼は頼れる先輩として仲良くしてます」

「ああ、寒っ」と言って彼女は自分の腕をさすった。

きっちり防寒してそうやけど、まだ寒いんかな。

園田「良かったら俺のマフラー、貸したろか？」

貴方「ええ、お願いします」

俺は彼女にマフラーを手渡す。

貴方「あ、園田さん巻いてもらっていいですか？」

園田「お、おう」

戸惑いながらも、優しくマフラーを巻いた。

「ありがとうございます」と言って頬を赤くしながらも彼女は微笑んだ。

彼女を独り占めできるのもあと少しか。

このままずっと着かなければいいのに。