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悲恋ページ34

You side

アイランド富士に乗り終えて、あとは元いた場所へ向かうだけとなった。

園田「どうやった？アイランド富士」

貴方「綺麗でしたよ。贅沢ですよね、なばなの里を一望できるって。

流石、日本三大夜景の一つって感じです」

園田「そうやな」

貴方「園田さん」

園田「ん？」

貴方「悲恋ってどう思います？」

園田「いきなりどうしたん」

貴方「Nissyに悲恋をテーマとした楽曲を提供したいなと思いまして。

私、あまり悲恋とかよくわからないんで。園田なら悲恋の経験ありそうだなって」

園田「悲恋かあ。まあ、あるっちゃあるわ」

今、絶賛悲恋中なんやけど。

貴方「一回、悲恋の曲は聞いてみたんですけど、よくわかりませんね、恋が辛いとか。

ざっくりといえばあなたが優しくするのが辛い、とか

あの娘と彼が仲良くしているのを見るのが辛いとか。

そんな辛い思いするなら、好きにならない方が良いと思うし諦めた方が手っ取り早いと思うんですが」

園田「やっぱりよくわかってへんな」

貴方「一体何を」

園田「そんな辛い思いしてでもその人のことが好きやねん」

貴方「何故。辛いし叶うはずもないのに」

園田「うん、でもな。何故諦めきれないのかっていうと好きやから」

貴方「いまいちよくわかりません」

園田「好きに理由はない。......ごめんな、上手く言われへん」

貴方「はあ」

聞くだけ無駄だったかしら。でもいいわ、ちょっと参考になった。

園田「俺にそんなこと聞くけど、自分ホンマに悲恋の経験ないん？」

私は今までの恋愛を脳内で映像化させた。

恋が辛いなんて私にはあったかしら。

初めて付き合った彼には、最初はそのような感情を抱いていたが、

後に彼の浮気が発覚して彼には怒りの感情しかない。よく覚えていない。

二人目の彼も本気で好きだったが、後に酷い仕打ちを受けたのでよく覚えていない。

三人目からはそんなに本気じゃなかった。

どうせ男なんてこんなもんだ、と思った。

ストレス発散や暇潰しの対象だから、なあなあって感じ。一部を除いては。

でも二股とか不倫とかは決してしていないから、まだマシだろう。