START:DASH!!〜4〜

しんちゃん、前 ページ29

西島「しんちゃんが小学生になった時家族で川にバーベキューに行ったんだよ。


そこでもお父さんとお母さんは弟ばっかり可愛がるわけ。


しんちゃん、それにイライラして、一人になりたかったから川の方に行った。


でも、弟は『しんちゃん、しんちゃん』って着いてくる。


でもしんちゃんは、弟を無視して先先前に進んだ。


すると後ろから、弟の悲鳴が聞こえた。


振り替えってみると、弟が川で溺れてるんだよ。


『しんちゃん助けて、しんちゃん助けて』弟は必死に叫んだ。


しんちゃん、すぐに助けようとしたんだけど魔が差したんだよ。


『こいつさえいなければ、お父さんとお母さんがまた僕のことを見てくれる。

僕のことを可愛がってくれる』


しんちゃんは弟を見殺しにした。間もなくして弟は死んだ。


弟が死んで、最初はお父さんもお母さんも悲しんでたけど、

一人息子となったしんちゃんを今まで以上に可愛がった。


しんちゃんは自分が弟を見殺しにしたのに、この状況を一番喜んでた。


で、ある日しんちゃんに変化が訪れて、弟の声が何故か聞こえるようになったんだよね。


弟はずっと『しんちゃん前、しんちゃん前』って言ってるの。


しんちゃんはこれは僕が先先進んで行ったことを弟が恨んでるんだな、って解釈した。


お父さんとお母さんは心配性なため、一人息子のしんちゃんに携帯電話を持たせたんだよ。


すると、電話の留守電にも『しんちゃん前、しんちゃん前』って。


しんちゃんずっと弟の声が聞こえてて、ずっと寝不足だったんだよね。


ある日、寝不足のせいでしんちゃんの判断力が落ちちゃって、


うっかり赤信号で渡ってしまったんだよ。


すると、今まで一番大きな声で弟が『しんちゃん前！！』って言った。


ハッと前を向くと、大きなダンプカーがしんちゃんの前を通り過ぎて行った。


しんちゃんここで思ったんだよ。『僕は弟を見殺しにしたのに、弟は僕を助けてくれた』


弟がここで言ってくれなかったら、しんちゃんあと一歩で死んでたんだよ。


しんちゃん泣きながら『ごめんね、ごめんね』て弟に謝った。


そして友達が駆け寄って『大丈夫！？』ってしんちゃんのこと心配した。


しんちゃんは泣きながら弟にしてきたことを友達に告白した。


『留守電に弟の声が入ってるから聞いて』って友達に電話を貸した。


『確かに弟の声だ』すると、友達の顔が青ざめたんだよ。


勿論、『どうしたの？』ってしんちゃんは友達に尋ねるわけよ」

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