第伍拾伍話 ページ9
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時透 side
遊郭。
どういうところか、知ってる。
僕だって男なんだし、そういうことについて何も知らないわけが無い。
そんなところにAが？
「…………嫌だ」
僕から出た一番最初の感情だった。
胸のところがもやもやする。ズキズキと痛んで、どうにも気持ち悪い。
「行かせない。遊郭なんて。絶対行かせないから」
『で、でも、宇髄さんに頼み込まれちゃって』
「それでも」
『無一郎には迷惑かけないから、ね？』
背後から、座る彼女を抱きしめる腕に力を入れる。そのまま肩に顔を埋める。いつもの安心する匂いではなく、華やかな着物の匂いが鼻を掠めた。
『迷惑をかけない』
違う、そういうことじゃない。別に迷惑をかけられたって、Aなら嬉しいし喜んで手伝う。僕が言いたいのは迷惑云々の話じゃない。
違う、違うのに、それが何か分からないから、どうやって伝えればいいかが分からない。
『…………痛いよ。落ち着いて、どうしたの？』
「…………嫌なの」
『大丈夫だよ。私、無一郎みたいに強くないけど、逃げ足だけは早いから』
「……」
背後から回した腕は、そのまま彼女の細い手首を掴んで離さなくなった。思わず力が入って、彼女が痛いと言うが、僕らしくもなくさらに力を入れた。
悶々とする。今感じているこの気持ちが何わからなくてなんだかイライラする。
『わわっ、ちょ、無一郎、』
「遊郭って、どんなことするところかちゃんと分かってる？」
彼女を抱きしめたまま横に倒れる。身長差で僕の身体にすっぽりと埋まる彼女は身をよじるが、そんなものこれっぽっちも効かない。
手のひらから伝わる彼女の体温は、いつもより幾分か熱いように感じた。
「こうやって、」
『む、むいちろ…』
「着物に手をかけられて、」
『い、ぃや』
「動けなくされて、」
『はな、して、』
「……」
『ゎたし、行かないと、』
「……こんな震えてるくせに？」
頑なに任務に行こうとする彼女を見て、イライラがさらに積もっていく。
これだけでこんな怖がってるのに、なんで行こうとするの？
「…………分かった。そんな行きたいなら、任務行かせてあげるよ」
『……うん、ありがと、……！？』
僕の腕の中から抜けようと起き上がったAの肩を掴んで押し倒した。
化粧でより映えた彼女顔はどうしてか胸をきゅうと締め付けた。
「まぁ、ここから抜け出せたらの話だけど」
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ハイキュー！！ - (笑)同感です！ (2021年6月16日 20時) (
レス) id: 19b8beddf0 (このIDを非表示/違反報告)
楪日織(プロフ) - ハイキュー！！さん» はいそうです！！どうして１回しか押せないんでしょうね、１００回は押したいのに……。 (2021年6月16日 17時) (レス) id: fd467e3021 (このIDを非表示/違反報告)
ハイキュー！！ - 楪日織さん» もう投票したあとだったんじゃないですか？ (2021年6月16日 15時) (レス) id: 19b8beddf0 (このIDを非表示/違反報告)
藍(プロフ) - 楪日織さん» こんにちは！そうやって言っていただけてとても嬉しいです…。今はテスト期間なので更新が泊まってしまっていますが、終わったら絶対怒涛のアップラッシュをしようと思います！ (2021年5月29日 22時) (レス) id: f9d5897d9b (このIDを非表示/違反報告)
楪日織(プロフ) - 初コメです。気づけば高評価を押していて、「既に投票済みです」と出たんですがどうすればいいですか？？（にっこり） (2021年5月29日 15時) (レス) id: fd467e3021 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：藍 | 作成日時：2021年5月15日 15時
