第伍拾話 ページ4
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『あれ、炭治郎』
「君は……、Aか!」
『久しぶりだね。柱合裁判の時以来かな?』
「そうだな。無事だったか?……なんて蝶屋敷に知る時点で無傷じゃないよな」
いつぶりなのか、自室に帰る途中で炭治郎とばったり会った。
……と、その後ろに見た事のある髪色の男の子が一人。
「び、びび、美女おぉ!!」
『あ、君は……、』
「え、はっ!?というか、二人共知り合いッ!?」
『えっ、と…………ぜんいつ、くん?、で、いいんだよね?』
「おぉ俺の名前なんで知ってるの!?これってもしかして運命!?結婚してくれぇ!!」
『え、ちょっと、』
「やめろ善逸!Aが困ってるだろう!」
パシっと効果音がつきそうな程勢いよく握られた両手からは、分からないけど色んな気持ちが伝わってくる。
い、いっぱいだなぁ……
そんな彼の手を今度は別の手が握った。
「ちょっと、柱に向かってそんな口きくなんて死にたいの?」
「ちょっ、痛い痛い痛い痛いッ!!し、死ぬぅ!!」
袖からちらりと見える腕には青筋がたっていて、どれだけ力を入れているのかよく分かった。
こんなのされたら私だって痛い。止めないと。
『無一郎、落ち着いて。離してあげて。善逸は一般隊士だよ』
「…………そうだね。隊立違反になるね」
そう言って無一郎は握っていた善逸の腕を離した。そのまま善逸は木製の床に膝から崩れて蹲った。
「いっったああぁ!!」
「…………僕は屋敷に帰るから。この隊士なんとかしといて」
『あ、う、うん』
言い放って、無一郎はそそくさとその場を後にした。
いきなりどうしちゃったんだろう。さっきまであんなに優しかったのに。私と無一郎が初めて会った時もあんなに冷たくなかったのに。
『どうしたんだろう……』
「あ、あのチビいなくなったか?改めて結婚してくれ、…ぁ”いだッ!」
ずっと後ろで聞いていたのか、炭治郎が強めのげんこつを一発、善逸の頭に落とした。
「だから困らせるようなことをするな!!確かにAからは甘い匂いがするが、決して善逸に向けてのものでは無い!!」
「ほんとだ…すごいドキドキしてる……誰だよ!許せねぇ!」
「前までそんな匂いしなかったのに。よかった、やっとAから幸せな匂いがして」
『あ、甘い匂い?どういうこと?』
二人の言うことの意味がわからなかった。
ドキドキしてる?私が?誰に?
________無一郎?
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ハイキュー!! - (笑)同感です! (2021年6月16日 20時) (レス) id: 19b8beddf0 (このIDを非表示/違反報告)
楪日織(プロフ) - ハイキュー!!さん» はいそうです!!どうして1回しか押せないんでしょうね、100回は押したいのに……。 (2021年6月16日 17時) (レス) id: fd467e3021 (このIDを非表示/違反報告)
ハイキュー!! - 楪日織さん» もう投票したあとだったんじゃないですか? (2021年6月16日 15時) (レス) id: 19b8beddf0 (このIDを非表示/違反報告)
藍(プロフ) - 楪日織さん» こんにちは!そうやって言っていただけてとても嬉しいです…。今はテスト期間なので更新が泊まってしまっていますが、終わったら絶対怒涛のアップラッシュをしようと思います! (2021年5月29日 22時) (レス) id: f9d5897d9b (このIDを非表示/違反報告)
楪日織(プロフ) - 初コメです。気づけば高評価を押していて、「既に投票済みです」と出たんですがどうすればいいですか??(にっこり) (2021年5月29日 15時) (レス) id: fd467e3021 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:藍 | 作成日時:2021年5月15日 15時