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「食べてもいい?」
『いいに決まってるでしょ』
箱の中からひとつ取り出して、ゆっくり口に入れる。目を閉じて味わう彼を無意識に見つめてしまった。
「……そんな見られると食べにくいんだけど」
『お、おいしくなかった?』
何故か私の問いには答えず、お菓子の入った箱ごと持って立って、私と対面になるように座り直した。
『どうしたの無一、、……んぐっ!!?』
「どう?おいしい?」
『…………おいしい』
「でしょ?美味しくないわけないんだから安心して」
『……ん、ありがとう』
いきなり口にお菓子を突っ込まれて何かと思ったが、口に広がる味は、自分も一回試しに食べたはずなのに、まるで別のお菓子を食べているようにずっとずっと甘かった。
『……でも、なんか甘すぎるかも』
「食べてみてからこれに決めたんでしょ」
『そうだけど、でも、ずっと甘く感じる』
やっぱり、
『無一郎といるから……かな?』
そういう私を見て、無一郎はもう一つ口に入れた。
「そう言われれば、たしかにさっきより甘いかも」
『さっき食べたばっかでしょ』
「食べたけど、やっぱAといるから、かな?」
『……同じこと言わないでよ』
「可愛かったからつい」
ふふっ、と二人で笑いだして、静かに箱を閉じて、
________これはゆっくり、大切に食べていこうね。
そんな小さな約束をした。
*☼*―――――*☼*―――――*☼*―――――*☼*―――――
(すごく甘かったね)
(…………なんならもっと甘いことしちゃう?)
(もっと、、…………っ!?)
(あーあ、真っ赤になっちゃって、誘ってるの?)
(さ、誘ってません!!)
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霞桜 - 頑張って下さいね応援してますよ (2022年5月4日 0時) (レス) id: f3badad1aa (このIDを非表示/違反報告)
霞桜 - 無一郎推しです めちゃくちゃ最高ですね私は想像豊か過ぎるので余計に嬉しいです… (2022年5月4日 0時) (レス) @page16 id: f3badad1aa (このIDを非表示/違反報告)
藍(プロフ) - いろはさん» ありがとうございます!不定期ではありますが定期的に投稿できるよう頑張りますね! (2021年1月15日 23時) (レス) id: 2a5e6a7f23 (このIDを非表示/違反報告)
いろは(プロフ) - これからもがんばて下さいね (2021年1月15日 22時) (レス) id: 7954c2eb45 (このIDを非表示/違反報告)
いろは(プロフ) - むいくん甘甘で可愛い~ (2021年1月15日 22時) (レス) id: 7954c2eb45 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:藍 | 作成日時:2021年1月12日 21時