ヒーロー嫌いのヒーローガール２ (ページ5)

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第５５話ページ5

相澤＞全員、コスチューム持ったな？本来なら公共の場じゃ着用禁止の身だ。落としたりするなよ？

芦戸＞はーい！

相澤＞伸ばすな！“はい”だ、芦戸。

芦戸＞はい・・・。

相澤＞くれぐれも、体験先のヒーローに失礼の無いように。じゃあ行け。

全員＞はい！

相澤＞っと、その前に・・・素元！

縁＞！あ、はい。

轟＞待ってる。

縁＞うん。

待つと言った轟に軽く返事をすると、パタパタと相澤に駆け寄る縁

縁＞なんですか、相澤先生？

相澤＞一応、話は通しておいたが・・・あー、その・・・なんだ・・・。

縁＞？

相澤＞・・・無茶はするなよ。

縁＞大丈夫です。

相澤＞そうか・・・頑張ってこい。

縁＞はい。

返事をしてから頭を下げると、縁はまたパタパタと駆け出す

その背中を見送りながら、相澤は自分に呆れていた

一生徒である彼女に、拘り過ぎるのでは？とーー

轟＞もういいのか？

縁＞うん。

肩を並べて歩き出すと、少しして縁が口を開く

縁＞でもよく引き受けたよね？ボクの事、迷惑だとは思わないの？

轟＞思わない。お前なら。

縁＞ふーん・・・変なの。

エンデヴァーの事務所に着いたのは、辺りがオレンジ色に包まれた夕方だった

ｴﾝﾃﾞｳﾞｧ-＞待っていたぞ、焦凍。ようやく覇道を進む気になったか？

轟＞あんたが作った道を進む気はない。俺は俺の道を進む。

ｴﾝﾃﾞｳﾞｧ-＞まあいい・・・で、その娘が・・・。

縁＞素元縁です。お世話になります。

ｴﾝﾃﾞｳﾞｧ-＞母親に似て、物好きだな。

轟＞指名したのはあんただろ。

ｴﾝﾃﾞｳﾞｧ-＞焦凍の嫁に相応しいか、見定めるためだ。

轟・縁＞・・・・・は？

何を言い出すのだろうか、この人は・・・

反応が遅れたふたりは、同時に気の抜けた声が出た

ｴﾝﾃﾞｳﾞｧ-＞まあいい。お前達も準備しろ。出掛けるぞ。

轟＞どこへ？

ｴﾝﾃﾞｳﾞｧ-＞ヒーローというものを見せてやる。

相澤《・・・・・は？》

縁＞やっぱりそういう反応になりますよね。

携帯電話のスピーカーを耳に当て、縁が相手に確認する

電話の相手は相澤消太だ

ディスプレイには、“相澤先生”と表示されている

夕方にエンデヴァーから言われた事を、そのまま彼に伝えた

そしてやはり、縁や轟と同じ反応を示した

相澤《いや、まあ・・・気付かないわけでもないが・・・当人の問題だからな・・・一応、父親だから気にはするだろうが・・・》

縁＞え？？

相澤〈しまった、こいつは父親似で鈍感だった〉