ヒーロー嫌いのヒーローガール２ (ページ16)

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第６６話ページ16

縁＞強くならなきゃいけないのは、ボクも同じだから。いつまでもあいつらに怯えてちゃいけないっていうのは、ボクが一番わかってるつもり。

飯田＞精神面の問題は、簡単には解決できないと聞くからな。克服したいと願うのなら、無理せず少しずつ前に進めばいいと、俺は思うが・・・。

縁＞そのつもり。先生もそう言ってたし。ボクはここでリタイアだけど、この先まだ仮免や、インターンもある。そこで必ず取り戻す。肉体的に強くなるためには、やっぱりヒーローが一番の近道だから。

緑谷＞ヒーローが、嫌いなのに？

縁＞・・・。

緑谷＞あ、ごめん。

縁＞いいよ、事実だし。ヒーローなんて大嫌い。ちなみにボクが一番嫌いなヒーローは、オールマイトだから。

緑谷＞お、オールマイト！？ど、どうして・・・！？

縁＞・・・・・約束。

緑谷＞え？

縁＞約束も護れないヒーローなんて・・・大っ嫌い。

緑谷＞約束って・・・素元さん、オールマイトと何か約束してたの？

縁＞・・・・・ボクじゃないよ。約束してたのは、ボクじゃない。でもあの人は知らないんだよ。ボクがその約束を知ってる事。ボクが知らないと思ってる。普通はそうだ。知ってるわけがない。でもボクは知ってる。だから嫌いなんだ。護れもしない約束をして、期待させて・・・あの人はみんなのヒーローだ。でも、オールマイトはボクの・・・私のヒーローにはなれないよ。

職場体験を早めに切り上げた縁は、カウンセリングのため学校もしばらく休む事になった

緑谷＞あの、オールマイト。

ｵ-ﾙﾏｲﾄ＞ん？

ある日、緑谷はオールマイトを呼び止めた

どうしても聞きたい事があったからだ

緑谷＞あの、その・・・僕がこれを聞いてもいいのかどうか悩んだんですけど・・・でも、やっぱり気になってしまって・・・素元さんとオールマイトって、何かあるんですか？

ｵ-ﾙﾏｲﾄ＞素元少女？急にどうしたんだ、緑谷少年？

緑谷＞・・・彼女から聞いたんです。ヒーローが嫌いで、中でも一番嫌いなのはオールマイトだって。理由を聞いたら、その・・・約束も守れないヒーローなんて大嫌いだって。オールマイトはみんなのヒーローだけど、自分のヒーローにはなれないって。

ｵ-ﾙﾏｲﾄ＞約束？いや、まさか・・・。

緑谷＞ん？

ｵ-ﾙﾏｲﾄ＞・・・・・緑谷少年。すまないが、この話は私の独断ではできない。彼女の家庭にも関わりのある話だ。それに、確かめねばならんからな。

緑谷＞確かめる？

ｵ-ﾙﾏｲﾄ＞・・・。