ヒーロー嫌いのヒーローガール２ (ページ15)

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第６５話ページ15

病室の外に出た緑谷は、位置情報の一斉送信についての詳細メールを送った

それから麗日との通話を終え、病室に戻ってきた

緑谷＞あ、飯田君。今、麗日さんがね・・・。

轟＞緑谷。

緑谷＞ん？

轟＞飯田、今診察終わったとこなんだが・・・。

飯田＞・・・・・左手・・・後遺症が残るそうだ。

緑谷〈後遺、症・・・〉

飯田＞両腕ボロボロにされたが、特に左のダメージが大きかったらしくてな。腕神経叢(わんしんけいそう)という箇所をやられたようだ。とはいっても、手指の動かし辛さと、多少の痺れくらいなものらしく、手術で神経移植すれば治る可能性もあるらしい。

緑谷＞あ・・・。

飯田＞ヒーロー殺しを見つけた時、何も考えられなくなった。マニュアルさんにまず伝えるべきだった。なのに怒りで我を忘れてしまった。

ステイン『目先の憎しみにとらわれ私欲を満たそうなど、ヒーローから最も遠い行いだ』

飯田＞奴は憎いが、奴の言葉は事実だった。だから、俺が本物のヒーローになれるまで－－この左手は残そうと思う。

轟＞飯田・・・。

縁＞・・・。

病室の外で、ドアにもたれかかって話を聞いていた縁

飲み物を買ってくると、外に出ていたのだ

緑谷＞飯田君、僕も同じだ。

飯田＞？

緑谷〈戒めを、この手に・・・〉

実は緑谷の右腕も、酷い壊れ方を繰り返せば動かなくなると言われている

だからこそ、制御方法を見つけなければならないんだ

緑谷＞一緒に強く・・・なろうね。

互いに頷き合うのを見ていた轟が、急に表情を曇らせた

轟＞なんか、悪ぃ。

緑谷＞え、何が？

轟＞俺が関わると・・・手が駄目になるみてぇな、感じになってる。

緑・飯＞え？/ん？

轟＞呪いか？

それを聞いて、緑谷と飯田が爆笑する

縁は縁で、呆れた様子で重いため息を吐く

緑谷＞轟君も冗談言ったりするんだね！

轟＞いや冗談じゃねぇ。ハンドクラッシャー的存在に・・・。

緑・飯＞ハンドクラッシャー！

ガラッ

縁＞やっぱり天然でしょ、君？

緑谷＞あ、そ、素元さん！おかえり！

縁＞爆笑じゃん。

轟＞・・・素元は、これからどうするんだ？

縁＞・・・・・職場体験はここまでかな。カウンセリングがあるから、一度帰らないと。

轟＞そうか・・・。

緑・飯＞・・・。

縁＞なんで君らがショック受けたような顔するのさ？

緑谷＞だって・・・。

飯田＞・・・すまない。

縁＞・・・・・ボクのメンタルの問題だから。君らに責任云々を言うつもりは全くないよ。