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Aは出る準備して！ と洗面所に放り込んで、俺は玄関にダッシュ。共有廊下でとんでもないことを言い出すバカを家に引っ張り込むと、樹は明らかに寝起きの俺を見てニヤニヤした。
樹「…ゆうべは随分盛り上がったみたいで？」
北「違うから！ 一緒に晩酌してたらちょっと飲みすぎただけ！」
「田中さん、すみません。北斗さんを起こせなかった私が悪いんです…」
樹「Aちゃんおはよー。え、すっぴん初めて見たんだけど。めちゃくちゃかわいくね？ 俺そっちのほうが好きだわ」
北「社長の奥さん口説く秘書がどこにいんだよ」
なんだろう。Aの無防備な姿は、たとえ樹といえどほかの男に見せたくない。
俺はAを背中に隠すみたいにして自室へ送り込んで、自分も慌ててシャワーを浴びる。樹は「しゃーねーなぁ」とか言いながら勝手にコーヒーを淹れて、ソファにどっかりと座り込んだ。
樹「Aちゃーん！ 車乗ってくっしょ？」
「いえ！ 遅刻確定ですけど電車で行きます。自己責任なので大人しく高地部長に怒られます」
樹「真面目すぎんだろ！ いーじゃん乗っていきなよ」
「そんな職権濫用できませんよー」
そんな会話をBGMに、着替えてリビングに戻るとAも準備を終えていて。
ていうか樹の気遣いはわかるんだけど、誘い方がナンパのそれなんだよな。Aの対応もあいまって渋谷でナンパしてるヤツかと思ったわ。
北「だぁから、社長夫人ナンパすんなって」
樹「いやぁ、俺いま六花さん一筋よ？」
北「それはよかった。A、遠慮せず車乗って？」
「いやでも…」
北「心配なの。遅刻するって慌てて走って事故でもしたらどうするの？」
樹「もう少し一緒にいたいんだろー？ 素直にそう言われたほうが乗りやすいよねぇ、Aちゃん」
北「樹」
樹「はーい、車出してきまーす」
樹は両手を上げたまま、玄関に消えていく。
鞄とコートを手に持って困ったような顔をするAだけが残されて、いつもより薄くメイクされた目元が俺をじっと見つめた。
北「…そばにいてくれるんだよね？」
「え？ あ、はい。もちろんです」
北「じゃあ一緒に行こうよ」
お願い、とまでは言えなかったけど。
Aは照れたみたいに笑って、小さく頷いてくれた。
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なな(プロフ) - 更新待ってます！！ (3月15日 14時) (
レス) @page46 id: a7a739d86f (このIDを非表示/違反報告)
めらとにん(プロフ) - めちゃくちゃきゅんきゅんしてます、！！更新待っています！これからも応援してます🙌🏻💗 (2月20日 21時) (レス) id: 66bf5bffa1 (このIDを非表示/違反報告)
えみりーた(プロフ) - 更新待ってました！楽しみにしてます！ (1月9日 22時) (レス) @page43 id: d4d342cc13 (このIDを非表示/違反報告)
ともか(プロフ) - はじめまして。続きが気になっていたので更新嬉しいです。これからの2人の展開にドキドキしながら楽しみにしてます♪ (1月8日 21時) (レス) id: ba59c24797 (このIDを非表示/違反報告)
ymmrnn(プロフ) - とても文が綺麗で読みやすく、早く続きを読みたくなる作品です。2人にトキメキました。応援してます！ (10月31日 13時) (レス) id: a7dac5969c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：エルダー | 作成日時：2023年10月2日 23時
