11話 ページ35
樹「だぁから言ったじゃん、貸切にしたらって」
そう言うと、北斗はムッとくちびるを結んだ。怒ってるというよりは拗ねてるって感じの顔。昔から変わんねーなって思う。
北斗とAちゃんの家電選び。たまたま行ったその場所で、Aちゃんの元カレ？ 元婚約者？ とやらに出くわしてしまったらしい。
北斗が目を離した隙にAちゃんが絡まれて…まぁとにかくその場は丸く収まったし、その後のAちゃんも泣いたりはしてなかったみたいだけど。
樹「な？ 俺が店長に電話入れて良かっただろ」
ジ「樹スゲーじゃん。なんでわかったの？ 腹の虫が騒いだ感じ？」
樹「その表現が合ってんのかはわかんないけど、まぁそんな感じかな」
ジ「田中秘書、優秀〜！」
樹「だろー？」
俺とジェシーに反して、北斗はくちびるをギュッとしたまま。
ジェシーが持ってきたデータを何度も見ながら、眉間に皺を寄せた。
北「…Aの様子がおかしい」
樹「まぁ、多少はショックなのかもよ？ クソだけど元カレじゃん？」
ジ「そこを北斗がやさしーく慰めんの。ね？ わかる？ 男の見せどころよ？」
北「そういう問題じゃない」
ジ「じゃあどういう問題？」
ジェシーの問いに少し間が空いて。
北斗はふっと息を吐くと、それまで黙ってこぢんまりと気配を消していた大吾に向き合う。
北「それでさ、大吾。馬場ってどんなやつなのかな？」
大吾は困ったように曖昧にほほ笑んだ。
うちの会社には営業部がふたつあって、毎年優秀な社員を表彰してる。その営業一課の売り上げ率ナンバーワン、名実ともにエースなのがこの西畑大吾だ。ちなみに去年の社長賞はこいつ。
高校生？ っていうくらいあどけなくてキュルンキュルンの見た目なのに、礼儀正しくて仕事もできて。客の心を掴むのがめちゃくちゃ上手いこいつのことは北斗もかってるし、信頼もしてる。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1166人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
なな(プロフ) - 更新待ってます！！ (3月15日 14時) (
レス) @page46 id: a7a739d86f (このIDを非表示/違反報告)
めらとにん(プロフ) - めちゃくちゃきゅんきゅんしてます、！！更新待っています！これからも応援してます🙌🏻💗 (2月20日 21時) (レス) id: 66bf5bffa1 (このIDを非表示/違反報告)
えみりーた(プロフ) - 更新待ってました！楽しみにしてます！ (1月9日 22時) (レス) @page43 id: d4d342cc13 (このIDを非表示/違反報告)
ともか(プロフ) - はじめまして。続きが気になっていたので更新嬉しいです。これからの2人の展開にドキドキしながら楽しみにしてます♪ (1月8日 21時) (レス) id: ba59c24797 (このIDを非表示/違反報告)
ymmrnn(プロフ) - とても文が綺麗で読みやすく、早く続きを読みたくなる作品です。2人にトキメキました。応援してます！ (10月31日 13時) (レス) id: a7dac5969c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：エルダー | 作成日時：2023年10月2日 23時
