7話 ページ22
とある秘書の話には。
樹「なぁ北斗、聞いて！ 昨日六花さんに偶然会ってカフェ行ったんだよ！」
北「へー」
樹「したら六花さんが『なんだかデートしてるみたいで楽しいね』って……聞いてる？」
北「聞いてる聞いてる」
いや聞いてねぇじゃん、という言葉を飲み込む。だって今は仕事中で、北斗はこの会社の社長で俺はその秘書で、我が社長様はPCに向き合ってるんだから。
でも、従兄弟で幼なじみでなんだかんだずーっと一緒の俺たち。ちょっとくらい俺の惚気話を聞いてくれてもいいだろ、なんて思う。
ちょっとだけ拗ねた気持ちになった俺は、冷めきった北斗のコーヒーをいれかえた。PCを覗くとひと区切りついたところだったから、なんとなーく。本当になんとなーく聞いてみただけなんだけど。
樹「そういえば北斗、結婚生活はどうよ？」
普段の北斗なら、顔色ひとつ変えずに「問題ないよ」とか言うところで。
北「……ふっ、」
タイピングの音が一瞬途切れて、代わりに聞こえてきたのは北斗が低く笑う声だった。思わずコーヒーを淹れる手を止めて振り向くと、変わらずにPCを覗き込んではいたけど。
樹「どした？」
北「いや、きのうAに叱られたことを思い出して」
樹「へっ！？」
Aちゃんに？ 叱られた？ 北斗が？
北「ほら、うちってワイシャツがめちゃくちゃたくさんあるじゃん」
樹「あるね。お前がいつもクリーニングに出し忘れて、慌てて新しく買ったやつがね。俺がいつも朝早〜く店に電話させられて買わされるやつね」
北「きのうAがそれを整理してくれて、なんでこんなにたくさんあるのかって」
北斗の。ワイシャツを。整理。Aちゃんが。
北「ちゃんと洗濯は出してくださいねって叱られた。でもさいきんはAが毎日出してくれるからシャツ買うこともないし…」
樹「…たしかに」
そう言われれば、さいきん朝早くに北斗から連絡がきて「樹、シャツがない…」なんて言われることがなくなった。書類整理しに家まで来いって呼ばれることもなくなったし。
しかもさいきんの北斗は、あまり会食を入れないでほしいとか言い始めた。疲れてんのかなーって思ってたけど…これは、もしかして、もしかする…？
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なな(プロフ) - 更新待ってます！！ (3月15日 14時) (
レス) @page46 id: a7a739d86f (このIDを非表示/違反報告)
めらとにん(プロフ) - めちゃくちゃきゅんきゅんしてます、！！更新待っています！これからも応援してます🙌🏻💗 (2月20日 21時) (レス) id: 66bf5bffa1 (このIDを非表示/違反報告)
えみりーた(プロフ) - 更新待ってました！楽しみにしてます！ (1月9日 22時) (レス) @page43 id: d4d342cc13 (このIDを非表示/違反報告)
ともか(プロフ) - はじめまして。続きが気になっていたので更新嬉しいです。これからの2人の展開にドキドキしながら楽しみにしてます♪ (1月8日 21時) (レス) id: ba59c24797 (このIDを非表示/違反報告)
ymmrnn(プロフ) - とても文が綺麗で読みやすく、早く続きを読みたくなる作品です。2人にトキメキました。応援してます！ (10月31日 13時) (レス) id: a7dac5969c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：エルダー | 作成日時：2023年10月2日 23時
